リスク管理2019年10月1日時点の法令に基づく出題です
2020年1月 FP2級学科 問18
法人を契約者(=保険料負担者)とする損害保険の保険料や保険金の経理処理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1すべての役員・従業員を被保険者とする普通傷害保険を契約した場合、支払った保険料の全額を損金の額に算入することができる。
- 2すべての役員・従業員を被保険者とする積立普通傷害保険を契約した場合、支払った保険料の全額を損金の額に算入することができる。
- 3法人が所有する自動車で従業員が業務中に起こした対人事故により、その相手方に保険会社から自動車保険の対人賠償保険金が直接支払われた場合、法人は当該保険金に関して経理処理する必要はない。
- 4法人が所有する倉庫建物が火災で焼失し、受け取った火災保険の保険金で同一事業年度内に代替の倉庫建物を取得した場合、所定の要件に基づき圧縮記帳が認められる。
正解と解説AI解説
正解 肢2
本問の論点
法人が契約者となる損害保険について、保険料や保険金の経理処理を問う問題である。傷害保険の保険料の損金算入の範囲、賠償責任保険金の扱い、保険金で代替資産を取得した場合の圧縮記帳が論点となる。最も不適切なものを選ぶ。
正解の根拠
積立普通傷害保険の保険料は、掛け捨て部分と積立部分で構成される。掛け捨て部分は損金に算入できるが、積立部分は満期返戻金などの原資となる貯蓄性の部分であり、資産に計上する。したがって、支払保険料の全額を損金に算入できるとする肢2の記述は誤りである。よって、正解は肢2。
各肢の検討
肢1:普通傷害保険は貯蓄性のない保険であり、すべての役員・従業員を被保険者とする場合、保険料の全額を損金に算入できる。記述は適切。
肢2:積立部分は資産計上となるため、全額を損金に算入することはできない。記述は不適切。
肢3:対人賠償保険金は保険会社から相手方に直接支払われ、法人は保険金を受け取らないため、法人に経理処理は生じない。記述は適切。
肢4:法人税法第47条第1項は、保険金等で代替資産を取得し、圧縮限度額の範囲内で帳簿価額を損金経理により減額したときは、その金額を損金の額に算入すると定めている。記述は適切。
一言まとめ
傷害保険は「掛け捨て部分は損金、積立部分は資産計上」と覚える。名称に「積立」が付く商品は全額損金にならない。
一問一答各肢の正誤
○肢1すべての役員・従業員を被保険者とする普通傷害保険を契約した場合、支払った保険料の全額を損金の額に算入することができる。
貯蓄性のない普通傷害保険では、すべての役員・従業員を被保険者とする場合、保険料の全額を損金に算入できる。
×肢2すべての役員・従業員を被保険者とする積立普通傷害保険を契約した場合、支払った保険料の全額を損金の額に算入することができる。
積立普通傷害保険の保険料のうち積立部分は資産に計上するため、保険料の全額を損金に算入することはできない。
○肢3法人が所有する自動車で従業員が業務中に起こした対人事故により、その相手方に保険会社から自動車保険の対人賠償保険金が直接支払われた場合、法人は当該保険金に関して経理処理する必要はない。
対人賠償保険金は保険会社から相手方に直接支払われ、法人は保険金を受け取らないので、経理処理は不要である。
○肢4法人が所有する倉庫建物が火災で焼失し、受け取った火災保険の保険金で同一事業年度内に代替の倉庫建物を取得した場合、所定の要件に基づき圧縮記帳が認められる。
保険金で代替資産を取得した場合は、圧縮限度額の範囲内で帳簿価額を減額し損金経理することで圧縮記帳が認められる。
関連条文解説で引用
- 法人税法第47条第1項
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2020年1月 問18 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2019年10月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。