タックスプランニング2020年4月1日時点の法令に基づく出題です
2020年9月 FP2級学科 問39
会社と役員間の取引に係る所得税・法人税に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1会社が役員に支給した退職金は、不相当に高額な部分の金額など一定のものを除き、損金の額に算入される。
- 2会社が所有する資産を適正な時価よりも低い価額で役員に譲渡した場合、その適正な時価と譲渡価額との差額が、その役員の給与所得の収入金額となる。
- 3役員が会社に無利息で金銭の貸付けを行った場合、原則として、通常収受すべき利息に相当する金額が、その役員の雑所得の収入金額となる。
- 4役員が所有する土地を会社に無償で譲渡した場合、会社は、その適正な時価を受贈益として益金の額に算入する。
正解と解説AI解説
正解 肢3
本問の論点
会社と役員との間の取引について、法人税と所得税の取扱いを問う問題である。役員給与の損金算入、資産の低額譲渡、無利息貸付け、無償譲受けの各場面で、誰にどのような所得や益金が生じるかを整理する必要がある。
正解の根拠
役員が会社に無利息で金銭を貸し付けても、貸した役員の側では、通常収受すべき利息に相当する金額を収入として認識しないのが原則である。したがって、その金額が役員の雑所得の収入金額になるという記述は誤りである。よって、正解は肢3。
各肢の検討
肢1:適切。退職給与は役員給与の損金不算入規定の対象から除かれており、不相当に高額な部分の金額などを除いて損金の額に算入される(法人税法第34条第2項)。
肢2:適切。時価より低い価額で譲渡した場合、時価との差額は役員の給与所得の収入金額となる。
肢3:不適切。無利息貸付けでは、役員側に利息相当額の収入は生じない。
肢4:適切。無償による資産の譲受けに係る収益は益金の額に算入され(法人税法第22条第2項)、会社は適正な時価を受贈益とする。
一言まとめ
会社が役員に有利な条件を与えれば給与になるが、役員が会社に無利息で貸しても原則として課税されない。方向で覚える。
一問一答各肢の正誤
○肢1会社が役員に支給した退職金は、不相当に高額な部分の金額など一定のものを除き、損金の額に算入される。
退職給与は役員給与の損金不算入規定の対象から除かれ、不相当に高額な部分の金額など一定のものを除いて損金の額に算入される。
○肢2会社が所有する資産を適正な時価よりも低い価額で役員に譲渡した場合、その適正な時価と譲渡価額との差額が、その役員の給与所得の収入金額となる。
会社が時価より低い価額で資産を役員に譲渡した場合、時価と譲渡価額との差額は役員が受ける経済的利益として給与所得の収入金額になる。
×肢3役員が会社に無利息で金銭の貸付けを行った場合、原則として、通常収受すべき利息に相当する金額が、その役員の雑所得の収入金額となる。
役員が会社に無利息で貸し付けても、役員側では通常収受すべき利息相当額を収入とは扱わないのが原則であり、雑所得になるとする点が誤りである。
○肢4役員が所有する土地を会社に無償で譲渡した場合、会社は、その適正な時価を受贈益として益金の額に算入する。
無償による資産の譲受けに係る収益は益金の額に算入されるため、会社は適正な時価を受贈益として益金に算入する。
関連条文解説で引用
- 法人税法第34条第1項
- 法人税法第34条第2項
- 法人税法第22条第2項
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2020年9月 問39 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2020年4月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。