ライフプランニングと資金計画2022年10月1日時点の法令に基づく出題です
2023年1月 FP2級学科 問7
公的年金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1障害基礎年金と遺族厚生年金の受給権を有している者は、65歳以降、障害基礎年金と遺族厚生年金を同時に受給することができる。
- 2障害基礎年金と老齢厚生年金の受給権を有している者は、65歳以降、障害基礎年金と老齢厚生年金を同時に受給することができる。
- 3同一の事由により、障害厚生年金と労働者災害補償保険法に基づく障害補償年金が支給される場合、障害補償年金は全額支給され、障害厚生年金は所定の調整率により減額される。
- 4健康保険の傷病手当金の支給を受けるべき者が、同一の疾病または負傷およびこれにより発した疾病について障害厚生年金の支給を受けることができる場合、原則として傷病手当金は支給されない。
正解と解説AI解説
正解 肢3
本問の論点
公的年金どうしの併給調整と、年金と他制度の給付との調整を問う問題である。労災保険や傷病手当金との調整も問われる。
正解の根拠
同一の事由による場合、障害厚生年金は全額支給され、労災保険の障害補償年金が所定の調整率により減額される。肢3はこれを逆にしている。よって、正解は肢3。
各肢の検討
肢1:適切。遺族厚生年金は、国民年金法による年金たる給付を受けることができるときは支給停止となるが、その対象から障害基礎年金が除かれている(厚生年金保険法第38条第1項)。65歳以降は両者を同時に受給できる。
肢2:適切。老齢厚生年金についても、支給停止の対象となる国民年金法の給付から障害基礎年金が除かれている(厚生年金保険法第38条第1項)。
肢3:不適切。減額されるのは労災保険の障害補償年金であり、障害厚生年金は全額支給される。
肢4:適切。傷病手当金の支給を受けるべき者が、同一の疾病等につき障害厚生年金の支給を受けることができるときは、傷病手当金は支給されない(健康保険法第108条第3項)。障害年金の額が傷病手当金の額より少ないときは差額が支給されるため、「原則として」の記述どおりである。
一言まとめ
障害基礎年金は、65歳以降、老齢厚生年金とも遺族厚生年金とも同時に受給できる。労災との調整で減額されるのは労災側。
一問一答各肢の正誤
○肢1障害基礎年金と遺族厚生年金の受給権を有している者は、65歳以降、障害基礎年金と遺族厚生年金を同時に受給することができる。
遺族厚生年金の支給停止の対象となる国民年金法の給付から障害基礎年金が除かれており、65歳以降は障害基礎年金と遺族厚生年金を同時に受給できる。
○肢2障害基礎年金と老齢厚生年金の受給権を有している者は、65歳以降、障害基礎年金と老齢厚生年金を同時に受給することができる。
老齢厚生年金の支給停止の対象となる国民年金法の給付から障害基礎年金が除かれており、65歳以降は障害基礎年金と老齢厚生年金を同時に受給できる。
×肢3同一の事由により、障害厚生年金と労働者災害補償保険法に基づく障害補償年金が支給される場合、障害補償年金は全額支給され、障害厚生年金は所定の調整率により減額される。
同一の事由による場合、障害厚生年金は全額支給され、減額されるのは労災保険の障害補償年金の側であり、記述は逆である。
○肢4健康保険の傷病手当金の支給を受けるべき者が、同一の疾病または負傷およびこれにより発した疾病について障害厚生年金の支給を受けることができる場合、原則として傷病手当金は支給されない。
同一の疾病等につき障害厚生年金の支給を受けることができるときは傷病手当金は支給されず、障害年金の額が傷病手当金の額より少ないときに差額が支給されるにとどまる。
関連条文解説で引用
- 厚生年金保険法第38条第1項
- 健康保険法第108条第3項
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2023年1月 問7 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2022年10月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。