相続・事業承継2022年10月1日時点の法令に基づく出題です
2023年1月 FP2級学科 問60
相続税の納税に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1相続により土地を取得した者がその相続に係る相続税について延納を申請する場合、一定の要件を満たせば、その相続により取得した土地以外の土地を延納の担保として提供することができる。
- 2相続税は金銭による一括納付が原則であるが、一括納付や延納による金銭の納付が困難な場合、納税義務者は、その納付を困難とする金額を限度に物納を申請することができる。
- 3物納に充てることができる財産の種類には順位があり、不動産と上場株式はいずれも第1順位に分類されている。
- 4「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」の適用を受けた宅地等を物納する場合の収納価額は、特例適用前の価額である。
正解と解説AI解説
正解 肢4
本問の論点
相続税の延納と物納の要件、物納財産の種類と順位、物納財産の収納価額を問う問題である。
正解の根拠
物納財産の収納価額は、課税価格計算の基礎となった当該財産の価額による(相続税法第43条第1項)。小規模宅地等の特例を受けた宅地等は、課税価格に算入すべき価額が、その価額に所定の割合を乗じて計算した金額となる(措置法第69条の4第1項)。したがって収納価額は特例適用後の価額であり、特例適用前の価額とする記述は誤りである。よって、正解は肢4。
各肢の検討
肢1:適切。延納の許可には、原則として延納税額に相当する担保が必要である(相続税法第38条第4項)。担保は相続により取得した財産に限られず、それ以外の土地も提供できる。
肢2:適切。延納によっても金銭納付が困難な事由がある場合、申請により、納付困難な金額として政令で定める額を限度に物納できる(相続税法第41条第1項)。
肢3:適切。相続税法第41条第2項第1号は不動産を掲げている。上場株式は換価の容易なものとして、先順位の財産がない場合に限るという制限から除かれている(相続税法第41条第5項)。
肢4:不適切。収納価額は課税価格計算の基礎となった価額、すなわち特例適用後の価額である(相続税法第43条第1項)。
一言まとめ
物納の収納価額は「課税価格の計算に使った価額」。特例で減額された宅地等は減額後の価額で収納される。
一問一答各肢の正誤
○肢1相続により土地を取得した者がその相続に係る相続税について延納を申請する場合、一定の要件を満たせば、その相続により取得した土地以外の土地を延納の担保として提供することができる。
延納の許可には原則として延納税額に相当する担保が必要であり、担保は相続により取得した財産に限られないため、それ以外の土地も提供できる。
○肢2相続税は金銭による一括納付が原則であるが、一括納付や延納による金銭の納付が困難な場合、納税義務者は、その納付を困難とする金額を限度に物納を申請することができる。
延納によっても金銭で納付することを困難とする事由がある場合、納税義務者の申請により、納付を困難とする金額として政令で定める額を限度に物納の許可を受けられる。
○肢3物納に充てることができる財産の種類には順位があり、不動産と上場株式はいずれも第1順位に分類されている。
不動産は物納に充てることができる財産として掲げられ、上場株式は換価の容易なものとして後順位とされる制限から除かれており、いずれも第1順位に分類される。
×肢4「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」の適用を受けた宅地等を物納する場合の収納価額は、特例適用前の価額である。
物納財産の収納価額は課税価格計算の基礎となった価額によるため、小規模宅地等の特例を受けた宅地等は特例適用後の減額された価額で収納される。
関連条文解説で引用
- 相続税法第41条第1項
- 相続税法第41条第2項第1号
- 相続税法第41条第2項第2号
- 相続税法第41条第5項
- 相続税法第43条第1項
- 措置法第69条の4第1項
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2023年1月 問60 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2022年10月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。