ライフプランニングと資金計画2023年10月1日時点の法令に基づく出題です
2024年5月 FP2級学科 問1
ファイナンシャル・プランナー(以下「FP」という)の顧客に対する行為に関する次の記述のうち、職業倫理に照らし、最も適切なものはどれか。
- 1顧客から賃貸アパートの建築について相談を受けたFPのAさんは、事業計画策定のための資料として、顧客から預かっていた確定申告書のコピーを顧客の同意を得ずに不動産業者に提供した。
- 2顧客から生命保険の加入について相談を受けたFPのBさんは、顧客の家族構成や世帯収入を確認することなく、Bさんが得られる手数料の多い保険商品についてのみ説明し、加入を勧めた。
- 3顧客から投資信託の購入について相談を受けたFPのCさんは、投資信託について、比較的少額から投資可能であることや運用の専門家により運用が行われることなどのメリットだけでなく、元本保証および利回り保証がないことなどの留意点についても説明した。
- 4顧客から外貨預金による資産運用について相談を受けたFPのDさんは、この先も円安ドル高の傾向は絶対に変わらないと説明し、円建ての預金の大半をドル建ての預金に移すべきだとアドバイスした。
正解と解説AI解説
正解 肢3
本問の論点
FPが顧客に対して守るべき職業倫理(顧客の情報の取扱い、顧客の利益の優先、説明の範囲、将来予測の伝え方)を問う問題である。
正解の根拠
FPは顧客の利益を優先し、商品のメリットだけでなく留意点も含めて説明することが求められる。投資信託について、比較的少額から投資可能であることや運用の専門家により運用が行われることに加え、元本保証および利回り保証がないという留意点も説明したCさんの行為は適切である。よって、正解は肢3。
各肢の検討
肢1:不適切。顧客から預かった確定申告書のコピーを、顧客の同意を得ずに不動産業者に提供しており、守秘義務に反する。
肢2:不適切。顧客の家族構成や世帯収入を確認せず、自己の得られる手数料を基準に商品を勧めており、顧客の利益よりも自己の利益を優先している。
肢3:適切。メリットと留意点の双方を説明している。
肢4:不適切。為替相場の先行きは不確実であり、「絶対に変わらない」と断定して助言することは許されない。金融商品取引業者等については、顧客に対し不確実な事項について断定的判断を提供して金融商品取引契約の締結の勧誘をする行為が禁止されている(金商法第38条第1項第2号)。
一言まとめ
「同意なく情報を渡す」「自分の利益を優先する」「相場を断定する」は不適切、「メリットと留意点の両方を説明する」は適切と覚える。
一問一答各肢の正誤
×肢1顧客から賃貸アパートの建築について相談を受けたFPのAさんは、事業計画策定のための資料として、顧客から預かっていた確定申告書のコピーを顧客の同意を得ずに不動産業者に提供した。
顧客から預かった確定申告書のコピーを、顧客の同意を得ずに不動産業者に提供しており、守秘義務に反する。
×肢2顧客から生命保険の加入について相談を受けたFPのBさんは、顧客の家族構成や世帯収入を確認することなく、Bさんが得られる手数料の多い保険商品についてのみ説明し、加入を勧めた。
顧客の家族構成や世帯収入を確認せず、自己の得られる手数料の多い保険商品のみを勧めており、顧客の利益より自己の利益を優先している。
○肢3顧客から投資信託の購入について相談を受けたFPのCさんは、投資信託について、比較的少額から投資可能であることや運用の専門家により運用が行われることなどのメリットだけでなく、元本保証および利回り保証がないことなどの留意点についても説明した。
投資信託のメリットだけでなく、元本保証および利回り保証がないという留意点も説明しており、職業倫理に照らして適切である。
×肢4顧客から外貨預金による資産運用について相談を受けたFPのDさんは、この先も円安ドル高の傾向は絶対に変わらないと説明し、円建ての預金の大半をドル建ての預金に移すべきだとアドバイスした。
為替相場という不確実な事項について「絶対に変わらない」と断定して助言しており不適切である。金融商品取引業者等については、不確実な事項について断定的判断を提供して勧誘する行為が禁止されている。
関連条文解説で引用
- 金商法第38条第1項
- 金商法第38条第1項第2号
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2024年5月 問1 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2023年10月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。