不動産2024年10月1日時点の法令に基づく出題です
2025年1月 FP2級学科 問43
不動産の売買契約に係る民法の規定に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、特約については考慮しないものとする。
- 1未成年者が法定代理人の同意を得ずに、不動産の売買契約を締結した場合であっても、原則として、法定代理人は当該売買契約を取り消すことができない。
- 2不動産が共有されている場合に、各共有者が、自己が有している持分を共有者以外の者に売却するときは、他の共有者の同意を得る必要はない。
- 3売買契約締結後、買主の責めに帰することができない事由により、当該契約の目的物の引渡債務の全部が履行不能となった場合、買主は履行の催告をすることなく、直ちに契約の解除をすることができる。
- 4同一の不動産について二重に売買契約が締結された場合、譲受人相互間においては、売買契約の締結の先後にかかわらず、原則として、所有権移転登記を先にした者が、当該不動産の所有権の取得を他方に対抗することができる。
正解と解説AI解説
正解 肢1
本問の論点
不動産の売買契約に関する民法の基本ルール(未成年者の行為の取消し、共有持分の処分、履行不能による解除、二重譲渡)を問う問題である。
正解の根拠
民法第5条第1項は、未成年者が法律行為をするには法定代理人の同意を得なければならないと定め、これに反する法律行為は取り消すことができるとされている(民法第5条第2項)。不動産の売買契約は、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為には当たらない。したがって、法定代理人は取り消すことができないとする肢1は誤りである。よって、正解は肢1。
各肢の検討
肢1:不適切。法定代理人の同意を得ない売買契約は取り消すことができる(民法第5条第2項)。
肢2:適切。各共有者は自己の持分を処分でき、持分の売却に他の共有者の同意は不要である。
肢3:適切。債務の全部が履行不能となった場合、債権者は催告をすることなく直ちに契約を解除できる。本肢は買主の責めに帰することができない事由によるため、債権者の責めに帰すべき事由による解除の制限(民法第543条第1項)にも当たらない。
肢4:適切。不動産の物権変動は登記が対抗要件であり、二重譲渡では契約の先後でなく登記の先後で優劣が決まる。
一言まとめ
未成年者が法定代理人の同意を得ずにした法律行為は、原則として取り消せる。二重譲渡は「登記が先の者が勝つ」と押さえる。
一問一答各肢の正誤
×肢1未成年者が法定代理人の同意を得ずに、不動産の売買契約を締結した場合であっても、原則として、法定代理人は当該売買契約を取り消すことができない。
未成年者が法定代理人の同意を得ずにした不動産の売買契約は、単に権利を得る行為ではないため、取り消すことができる。
○肢2不動産が共有されている場合に、各共有者が、自己が有している持分を共有者以外の者に売却するときは、他の共有者の同意を得る必要はない。
各共有者は自己の持分を単独で処分でき、共有者以外の者への持分の売却に他の共有者の同意は不要である。
○肢3売買契約締結後、買主の責めに帰することができない事由により、当該契約の目的物の引渡債務の全部が履行不能となった場合、買主は履行の催告をすることなく、直ちに契約の解除をすることができる。
債務の全部が履行不能となれば催告なく解除でき、買主の責めに帰すべき事由によるものではないので解除の制限も受けない。
○肢4同一の不動産について二重に売買契約が締結された場合、譲受人相互間においては、売買契約の締結の先後にかかわらず、原則として、所有権移転登記を先にした者が、当該不動産の所有権の取得を他方に対抗することができる。
不動産の物権変動は登記が対抗要件であり、二重譲渡では契約の先後にかかわらず先に登記をした者が所有権を対抗できる。
関連条文解説で引用
- 民法第5条第1項
- 民法第5条第2項
- 民法第543条第1項
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2025年1月 問43 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2024年10月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。