相続・事業承継2024年10月1日時点の法令に基づく出題です
2025年1月 FP2級学科 問55
配偶者に対する相続税額の軽減(以下「配偶者の税額軽減」という)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1配偶者の税額軽減の適用を受けることにより配偶者の納付すべき相続税額が0(ゼロ)となる場合、当該配偶者は相続税の申告書を提出する必要はない。
- 2相続税の申告期限までに分割されていない財産は、原則として、配偶者の税額軽減の対象とならないが、相続税の申告書に「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付し、申告期限までに分割されなかった財産について申告期限から3年以内に分割したときは、配偶者の税額軽減の対象となる。
- 3相続の放棄をした被相続人の配偶者が遺贈により取得した財産は、配偶者の税額軽減の対象とならない。
- 4配偶者の税額軽減の適用を受けるためには、相続が開始した日の前日において被相続人との婚姻期間が20年以上でなければならない。
正解と解説AI解説
正解 肢2
本問の論点
配偶者に対する相続税額の軽減の適用要件と手続を問う問題である。申告書提出の要否、未分割財産の扱い、相続放棄との関係、婚姻期間要件の有無が論点となる。
正解の根拠
申告期限までに分割されていない財産は、軽減額の計算の基礎となる財産に含まれない。ただし、申告期限から3年以内に分割された場合には、その分割された財産は軽減の対象となる(相続税法第19条の2第2項)。よって、正解は肢2。
各肢の検討
肢1:不適切。軽減は、適用を受ける旨と計算明細を記載した書類を添付した申告書等の提出がある場合に限り適用される(相続税法第19条の2第3項)。納付税額が0となる場合でも申告書の提出が必要である。
肢2:適切。上記のとおり、申告期限から3年以内に分割されれば軽減の対象となる。そのため、申告書に「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付しておく。
肢3:不適切。相続税法第19条の2第1項は配偶者が相続又は遺贈により財産を取得した場合を対象としており、相続を放棄した配偶者が遺贈により取得した財産も軽減の対象となる。
肢4:不適切。配偶者の税額軽減に婚姻期間の要件はない。婚姻期間20年以上の要件があるのは贈与税の配偶者控除である。
一言まとめ
配偶者の税額軽減は「婚姻期間不問・放棄しても遺贈なら可・申告が必須・未分割は3年以内の分割で可」と押さえる。
一問一答各肢の正誤
×肢1配偶者の税額軽減の適用を受けることにより配偶者の納付すべき相続税額が0(ゼロ)となる場合、当該配偶者は相続税の申告書を提出する必要はない。
配偶者の税額軽減は、適用を受ける旨と計算明細を記載した書類を添付した申告書等を提出した場合に限り適用されるため、納付税額が0となる場合でも申告書の提出が必要である。
○肢2相続税の申告期限までに分割されていない財産は、原則として、配偶者の税額軽減の対象とならないが、相続税の申告書に「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付し、申告期限までに分割されなかった財産について申告期限から3年以内に分割したときは、配偶者の税額軽減の対象となる。
申告期限までに未分割の財産は軽減額の計算の基礎に含まれないが、申告期限から3年以内に分割された場合には、その分割された財産は軽減の対象となる。
×肢3相続の放棄をした被相続人の配偶者が遺贈により取得した財産は、配偶者の税額軽減の対象とならない。
軽減の対象は配偶者が相続又は遺贈により取得した財産であり、相続を放棄した配偶者が遺贈により取得した財産も対象となる。
×肢4配偶者の税額軽減の適用を受けるためには、相続が開始した日の前日において被相続人との婚姻期間が20年以上でなければならない。
配偶者の税額軽減には婚姻期間の要件はなく、婚姻期間20年以上の要件があるのは贈与税の配偶者控除である。
関連条文解説で引用
- 相続税法第19条の2第3項
- 相続税法第19条の2第2項
- 相続税法第19条の2第1項
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2025年1月 問55 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2024年10月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。