タックスプランニング2017年10月1日時点の法令に基づく出題です
2018年1月 FP2級学科 問39
会社と役員間の取引に係る所得税・法人税に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1会社が所有する建物を適正な時価よりも低い価額で役員に譲渡した場合、その適正な時価と譲渡価額との差額が役員給与とされる。
- 2会社が役員に対して退職給与を支給した場合には、不相当に高額な部分の金額など一定のものを除き損金の額に算入される。
- 3役員が会社に対して無利息で金銭の貸付を行った場合、原則として、役員側では受取利息の認定が行われ、通常収受すべき利息の額が雑所得として課税される。
- 4会社が役員に社宅を賃貸した場合、役員が負担する賃料の金額が通常収受すべき賃料の額に満たないときは、役員が負担した賃料と通常収受すべき賃料との差額が役員給与とされる。
正解と解説AI解説
正解 肢3
本問の論点
会社と役員の間の取引が、会社側の法人税と役員側の所得税でどう扱われるかを問う問題である。経済的利益の供与が役員給与に含まれること、退職給与の損金算入、役員から会社への無利息貸付けの所得税上の扱いが論点となる。「最も不適切なもの」を選ぶ点に注意する。
正解の根拠
役員給与には、債務の免除による利益その他の経済的な利益も含まれる(法人税法第34条第4項)。一方、役員が会社に金銭を無利息で貸し付けても、役員は利息を受け取っていないため、原則として受取利息は認定されず、雑所得として課税されることもない。したがって肢3の記述は誤りである。よって、正解は肢3。
各肢の検討
肢1:適切。時価より低い価額で建物を譲渡すれば、時価との差額は経済的利益の供与にあたり、役員給与として扱われる。
肢2:適切。退職給与は、不相当に高額な部分の金額など一定のものを除き、損金の額に算入される(法人税法第34条第2項)。
肢3:不適切。無利息貸付けでは、原則として役員側に受取利息の認定課税は行われない。
肢4:適切。役員が負担する賃料が通常収受すべき賃料に満たなければ、その差額は経済的利益として役員給与とされる。
一言まとめ
会社が役員に利益を与えれば役員給与、役員が会社に無利息で貸しても原則として課税なし、と方向を区別して覚える。
一問一答各肢の正誤
○肢1会社が所有する建物を適正な時価よりも低い価額で役員に譲渡した場合、その適正な時価と譲渡価額との差額が役員給与とされる。
時価より低い価額で譲渡した場合、適正な時価と譲渡価額との差額は会社から役員への経済的利益となり、役員給与に含まれる。
○肢2会社が役員に対して退職給与を支給した場合には、不相当に高額な部分の金額など一定のものを除き損金の額に算入される。
退職給与は、不相当に高額な部分の金額など一定のものを除いて損金の額に算入され、記述は制度どおりである。
×肢3役員が会社に対して無利息で金銭の貸付を行った場合、原則として、役員側では受取利息の認定が行われ、通常収受すべき利息の額が雑所得として課税される。
役員が会社に無利息で貸し付けても、役員側では原則として受取利息の認定は行われず雑所得の課税もないため、記述は誤りである。
○肢4会社が役員に社宅を賃貸した場合、役員が負担する賃料の金額が通常収受すべき賃料の額に満たないときは、役員が負担した賃料と通常収受すべき賃料との差額が役員給与とされる。
役員の負担賃料が通常収受すべき賃料に満たないときは、その差額が経済的利益として役員給与とされる。
関連条文解説で引用
- 法人税法第34条第4項
- 法人税法第34条第2項
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2018年1月 問39 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2017年10月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。