相続・事業承継2017年10月1日時点の法令に基づく出題です
2018年1月 FP2級学科 問59
不動産を相続した場合の相続税の納税資金対策に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1相続税は金銭による一括納付が原則であるが、一括納付が困難な場合には、納税義務者は、任意に延納または物納を選択することができる。
- 2延納の許可を受けた相続税額について、一定の要件を満たせば延納から物納へ変更することができる。
- 3小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例の適用を受けた宅地等を物納する場合の収納価額は、原則として特例適用後の価額となる。
- 4相続人が相続した土地等を相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年以内に譲渡した場合には、その相続人の相続税額のうちその土地等に対応する部分の金額を譲渡所得の金額の計算上、取得費に加算することができる。
正解と解説AI解説
正解 肢1
本問の論点
不動産を相続した場合の納税資金対策として、延納と物納の位置づけ、物納の収納価額、取得費加算の特例について、各記述の正誤を判断する問題です。
正解の根拠
相続税は金銭で一括納付するのが原則で、延納は金銭で納付することを困難とする事由がある場合に、納税義務者の申請により許可されるものです(相続税法第38条第1項)。物納はさらに、延納によっても金銭で納付することが困難な場合に限って認められる制度であり、納税義務者が延納と物納を任意に選択できるわけではありません。したがって、肢1の記述だけが誤りです。よって、正解は肢1。
各肢の検討
肢1:延納は金銭納付が困難な場合の申請と許可が必要で、物納は延納でも困難な場合に限られ、任意に選択できないため不適切。
肢2:延納の許可を受けた後に事情が変わって延納が困難となった場合は、一定の要件のもとで物納へ変更できるため適切。
肢3:小規模宅地等の特例の適用を受けた宅地等を物納するときの収納価額は、原則として特例適用後の価額となるため適切。
肢4:相続開始の翌日から申告期限の翌日以後3年以内に土地等を譲渡した場合は、その土地等に対応する相続税額を取得費に加算できるため適切。
一言まとめ
物納は延納でも困難なときの最終手段と覚え、延納と物納を自由に選べるとする記述は誤りと判断します。
一問一答各肢の正誤
×肢1相続税は金銭による一括納付が原則であるが、一括納付が困難な場合には、納税義務者は、任意に延納または物納を選択することができる。
相続税は金銭一括納付が原則で、延納は金銭納付が困難な場合の申請と許可が必要であり、物納も延納によっても困難な場合に限られるため、延納か物納かを任意に選択できるとする記述は誤りである。
○肢2延納の許可を受けた相続税額について、一定の要件を満たせば延納から物納へ変更することができる。
延納の許可を受けた後に事情が変わり延納による納付が困難となった場合には、一定の要件を満たせば延納から物納へ変更できるため、この記述は正しい。
○肢3小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例の適用を受けた宅地等を物納する場合の収納価額は、原則として特例適用後の価額となる。
小規模宅地等の特例の適用を受けた宅地等を物納する場合の収納価額は、原則として特例適用後の価額となるため、この記述は正しい。
○肢4相続人が相続した土地等を相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年以内に譲渡した場合には、その相続人の相続税額のうちその土地等に対応する部分の金額を譲渡所得の金額の計算上、取得費に加算することができる。
相続した土地等を相続開始の翌日から申告期限の翌日以後3年以内に譲渡した場合は、その土地等に対応する相続税額を取得費に加算できるため、この記述は正しい。
関連条文解説で引用
- 相続税法第38条第1項
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2018年1月 問59 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2017年10月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。