相続・事業承継2017年10月1日時点の法令に基づく出題です
2018年5月 FP2級学科 問58
宅地および宅地の上に存する権利の相続税における評価に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、賃貸借関係のある宅地については、いずれも借地権(定期借地権は除く)の目的となっている宅地であるものとする。
- 1Aさんが、賃借している宅地の上にAさん名義の家屋を建て、これを自宅として使用している場合、賃借している宅地の上に存する権利は借地権として評価する。
- 2Aさんが、所有する宅地をBさんに賃貸し、Bさんがその宅地の上にBさん名義の家屋を建て、これをBさんの個人事業の事務所として使用している場合、所有している宅地は貸宅地として評価する。
- 3Aさんが、所有する宅地の上にAさん名義の家屋を建て、これを賃貸している場合、所有している宅地は貸家建付地として評価する。
- 4Aさんが、賃借している宅地の上にAさん名義の家屋を建て、これを賃貸している場合、賃借している宅地の上に存する権利は転貸借地権として評価する。
正解と解説AI解説
正解 肢4
本問の論点
宅地および宅地の上に存する権利の評価区分(借地権、貸宅地、貸家建付地、転貸借地権)を、誰が土地を借りて誰が建物を所有し、何を賃貸しているかという関係から判断できるかを問う問題です。最も不適切なものを選びます。
正解の根拠
借地借家法第2条第1項第4号は、転借地権を「建物の所有を目的とする土地の賃借権で借地権者が設定しているもの」と定義しています。肢4のAさんは、借地権者として自分名義の家屋を建て、その家屋を他人に賃貸しているだけで、土地の賃借権を他人に設定してはいません。したがって転借地権(転貸借地権)にはあたらず、肢4は誤りです。よって、正解は肢4。
各肢の検討
肢1:適切。自己名義の家屋を建てて使用している賃借宅地の権利は、借地権として評価します。
肢2:適切。借地借家法第2条第1項第1号にいう借地権が設定された宅地なので、貸している側のAさんの宅地は貸宅地です。
肢3:適切。自己所有の宅地の上の自己名義の家屋を賃貸しているので、貸家建付地です。
肢4:不適切。賃貸しているのは建物であって、土地の転貸ではありません。
一言まとめ
転貸借地権かどうかは「土地の賃借権をさらに他人に設定したか」で判断します。家屋の賃貸だけなら、転貸借地権にはなりません。
一問一答各肢の正誤
○肢1Aさんが、賃借している宅地の上にAさん名義の家屋を建て、これを自宅として使用している場合、賃借している宅地の上に存する権利は借地権として評価する。
賃借した宅地の上に自己名義の家屋を建てて使用する場合、建物の所有を目的とする土地の賃借権にあたり、その権利は借地権として評価する。
○肢2Aさんが、所有する宅地をBさんに賃貸し、Bさんがその宅地の上にBさん名義の家屋を建て、これをBさんの個人事業の事務所として使用している場合、所有している宅地は貸宅地として評価する。
Bさんが借りた宅地に自己名義の事務所用家屋を建てているので、建物の所有を目的とする借地権が設定されており、Aさんの宅地は貸宅地として評価する。
○肢3Aさんが、所有する宅地の上にAさん名義の家屋を建て、これを賃貸している場合、所有している宅地は貸家建付地として評価する。
自己所有の宅地の上に建てた自己名義の家屋を賃貸している場合、その宅地は貸家建付地として評価する。
×肢4Aさんが、賃借している宅地の上にAさん名義の家屋を建て、これを賃貸している場合、賃借している宅地の上に存する権利は転貸借地権として評価する。
Aさんは借地権者として家屋を賃貸しているだけで、土地の賃借権を他人に設定していないため、転借地権にあたらず、転貸借地権として評価するとする点が誤りである。
関連条文解説で引用
- 借地借家法第2条第1項第1号
- 借地借家法第2条第1項第3号
- 借地借家法第2条第1項第4号
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2018年5月 問58 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2017年10月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。