相続・事業承継2020年10月1日時点の法令に基づく出題です
2021年1月 FP2級学科 問54
遺産分割協議書に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。
- 1被相続人が作成した遺言がなく、共同相続された預貯金は、相続開始と同時に当然に法定相続分に応じて分割されるため、相続人が相続預金を引き出す際は、遺産分割協議書を作成する必要はない。
- 2遺産分割協議書の形式は、法律によって特に定められていないため、公正証書以外の書面によっても作成することができる。
- 3遺産の分割について、共同相続人間で協議が調わないとき、または協議をすることができないときは、原則として、各共同相続人はその分割を家庭裁判所に請求することができる。
- 4遺産を現物分割する内容の遺産分割協議書を作成する場合、対象となる遺産の一部について遺産分割協議が成立していないときであっても、それを除いた遺産についてのみ定めた遺産分割協議書を作成することができる。
正解と解説AI解説
正解 肢1
本問の論点
遺産分割協議書と遺産分割の進め方に関する記述の正誤を問う問題です。預貯金の取扱い、協議書の形式、家庭裁判所への分割請求、一部分割の可否が論点となります。
正解の根拠
共同相続された預貯金は、相続開始と同時に当然に法定相続分で分割されるわけではなく、遺産分割の対象になります。そのため、相続人が預貯金を引き出す場合も、原則として相続人全員による遺産分割の手続が必要です。「協議書は不要」とする記述は不適切です。よって、正解は肢1。
各肢の検討
肢1:預貯金が当然に分割されるとする点が誤りで、不適切です。
肢2:協議書の形式に法律上の定めはなく、公正証書以外の書面でも作成できるため、適切です。
肢3:協議が調わないとき、又は協議ができないときは、各共同相続人が家庭裁判所に分割を請求でき(民法第907条第2項)、適切です。
肢4:共同相続人は協議で遺産の全部又は一部の分割ができるため(民法第907条第1項)、一部のみを定めた協議書も作成でき、適切です。
一言まとめ
預貯金も遺産分割の対象です。「当然に分割される」という言い回しに注意しましょう。
一問一答各肢の正誤
×肢1被相続人が作成した遺言がなく、共同相続された預貯金は、相続開始と同時に当然に法定相続分に応じて分割されるため、相続人が相続預金を引き出す際は、遺産分割協議書を作成する必要はない。
共同相続された預貯金は当然には法定相続分で分割されず、遺産分割の対象となるため、相続人全員で遺産分割の手続を行う必要がある。
○肢2遺産分割協議書の形式は、法律によって特に定められていないため、公正証書以外の書面によっても作成することができる。
遺産分割協議書の形式は法律上特に定められておらず、公正証書以外の書面でも作成することができる。
○肢3遺産の分割について、共同相続人間で協議が調わないとき、または協議をすることができないときは、原則として、各共同相続人はその分割を家庭裁判所に請求することができる。
協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、各共同相続人は分割を家庭裁判所に請求することができる。
○肢4遺産を現物分割する内容の遺産分割協議書を作成する場合、対象となる遺産の一部について遺産分割協議が成立していないときであっても、それを除いた遺産についてのみ定めた遺産分割協議書を作成することができる。
共同相続人は協議で遺産の全部又は一部の分割をすることができるため、一部の遺産のみを定めた協議書も作成できる。
関連条文解説で引用
- 民法第907条第2項
- 民法第907条第1項
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2021年1月 問54 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2020年10月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。