タックスプランニング2021年10月1日時点の法令に基づく出題です
2022年1月 FP2級学科 問33
所得税の損益通算に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1全額自己資金により購入したアパートの貸付けによる不動産所得の金額の計算上生じた損失の金額は、給与所得の金額と損益通算することができる。
- 2コンサルティング事業を行ったことによる事業所得の金額の計算上生じた損失の金額は、不動産所得の金額と損益通算することができる。
- 3生命保険を解約して解約返戻金を受け取ったことによる一時所得の金額の計算上生じた損失の金額は、公的年金に係る雑所得の金額と損益通算することができる。
- 4一般口座で保有している上場株式を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、申告分離課税を選択した上場株式に係る配当所得の金額と損益通算することができる。
正解と解説AI解説
正解 肢3
本問の論点
所得税の損益通算の対象となる損失の範囲を問う問題である。損益通算できるのは不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得の損失に限られ、上場株式等の譲渡損失には申告分離課税の配当所得等と通算できる特例がある。
正解の根拠
所得税法第69条第1項は、総所得金額等を計算する場合において、不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額を、他の各種所得の金額から控除すると定めている。一時所得はここに含まれないため、一時所得の損失は他の所得と損益通算できない。よって、正解は肢3。
各肢の検討
肢1:適切。不動産所得の損失は損益通算の対象である(所得税法第69条第1項)。全額自己資金で購入したアパートであれば借入金の利子に関する制限も問題とならず、給与所得と通算できる。
肢2:適切。事業所得の損失は損益通算の対象であり、不動産所得の金額から控除できる(所得税法第69条第1項)。
肢3:不適切。一時所得は損益通算の対象となる所得に含まれず、その損失を公的年金に係る雑所得と通算することはできない。
肢4:適切。上場株式等の譲渡損失は、確定申告により、申告分離課税を選択した上場株式等に係る配当所得等の金額と損益通算できる。
一言まとめ
損益通算できる損失は「不・事・山・譲」の所得のものだけと覚える。一時所得や雑所得の損失は通算できない。
一問一答各肢の正誤
○肢1全額自己資金により購入したアパートの貸付けによる不動産所得の金額の計算上生じた損失の金額は、給与所得の金額と損益通算することができる。
不動産所得の金額の計算上生じた損失は損益通算の対象であり、全額自己資金で購入したアパートの損失は給与所得の金額から控除できる。
○肢2コンサルティング事業を行ったことによる事業所得の金額の計算上生じた損失の金額は、不動産所得の金額と損益通算することができる。
事業所得の金額の計算上生じた損失は損益通算の対象であり、不動産所得の金額から控除できる。
×肢3生命保険を解約して解約返戻金を受け取ったことによる一時所得の金額の計算上生じた損失の金額は、公的年金に係る雑所得の金額と損益通算することができる。
損益通算の対象は不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得の損失に限られ、一時所得の損失は公的年金に係る雑所得と通算できない。
○肢4一般口座で保有している上場株式を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、申告分離課税を選択した上場株式に係る配当所得の金額と損益通算することができる。
上場株式等の譲渡損失は、確定申告により申告分離課税を選択した上場株式等に係る配当所得等の金額と損益通算でき、申告書には控除前の配当所得等の金額を記載する。
関連条文解説で引用
- 所得税法第69条第1項
- 租税特別措置法施行令第25条の11の2第7項
- 租税特別措置法施行令第25条の11の2第7項第2号
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2022年1月 問33 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2021年10月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。