リスク管理2021年10月1日時点の法令に基づく出題です
2022年5月 FP2級学科 問18
契約者(=保険料負担者)を法人とする損害保険契約の経理処理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1火災により倉庫を焼失するリスクに備えて、保険期間5年の火災保険に加入し、5年分の保険料を一括で支払った場合、その事業年度に、支払った保険料の全額を損金の額に算入することができる。
- 2業務中の事故によりケガを負うリスクに備えて、すべての役員・従業員を被保険者および保険金受取人とする普通傷害保険に加入した場合、その支払った保険料の全額を損金の額に算入することができる。
- 3法人が所有する業務用自動車が交通事故で損壊し、法人が受け取った自動車保険の車両保険の保険金で修理をした場合、当該保険金を益金の額に算入し、当該修理費を損金の額に算入することができる。
- 4積立傷害保険が満期を迎え、法人が満期返戻金と契約者配当金を受け取った場合、その全額を益金の額に算入し、資産に計上していた積立保険料の累計額を損金の額に算入することができる。
正解と解説AI解説
正解 肢1
本問の論点
契約者(=保険料負担者)が法人である損害保険について、支払った保険料をどこまで損金の額に算入できるか、また受け取った保険金・満期返戻金等をどう処理するかを問う問題である。保険料の期間対応と、積立部分の資産計上がポイントになる。
正解の根拠
法人が複数年分の保険料を一括で支払った場合、その事業年度の損金の額に算入できるのは当期に対応する部分に限られ、翌期以降に対応する部分は前払保険料として資産に計上し、各期に配分して損金に算入する。したがって、5年分の保険料の全額をその事業年度に損金算入できるとする肢1の記述は不適切である。よって、正解は肢1。
各肢の検討
肢1:不適切。一括払いの保険料のうち、当期分以外は前払保険料として資産計上する。
肢2:適切。すべての役員・従業員を被保険者および保険金受取人とする普通傷害保険の保険料は、福利厚生費として全額を損金算入できる。
肢3:適切。車両保険の保険金は益金に算入し、その保険金で行った修理費は損金に算入する。
肢4:適切。満期返戻金と契約者配当金は全額を益金に算入し、資産計上していた積立保険料の累計額を損金に算入する。
一言まとめ
法人の損害保険は「保険料は期間対応で損金」「積立部分は資産計上し満期時に取り崩す」が基本。一括払いでも損金は当期分だけと覚えておく。
一問一答各肢の正誤
×肢1火災により倉庫を焼失するリスクに備えて、保険期間5年の火災保険に加入し、5年分の保険料を一括で支払った場合、その事業年度に、支払った保険料の全額を損金の額に算入することができる。
複数年分の保険料を一括で支払った場合、損金算入できるのは当期に対応する部分だけで、翌期以降の分は前払保険料として資産に計上する。全額を当期の損金とはできない。
○肢2業務中の事故によりケガを負うリスクに備えて、すべての役員・従業員を被保険者および保険金受取人とする普通傷害保険に加入した場合、その支払った保険料の全額を損金の額に算入することができる。
すべての役員・従業員を被保険者および保険金受取人とする普通傷害保険の保険料は、福利厚生費として全額を損金の額に算入できる。
○肢3法人が所有する業務用自動車が交通事故で損壊し、法人が受け取った自動車保険の車両保険の保険金で修理をした場合、当該保険金を益金の額に算入し、当該修理費を損金の額に算入することができる。
法人が受け取った車両保険の保険金は益金の額に算入し、その保険金で行った修理の費用は修繕費として損金の額に算入する。
○肢4積立傷害保険が満期を迎え、法人が満期返戻金と契約者配当金を受け取った場合、その全額を益金の額に算入し、資産に計上していた積立保険料の累計額を損金の額に算入することができる。
積立傷害保険の満期返戻金と契約者配当金は全額を益金に算入し、資産に計上していた積立保険料の累計額を取り崩して損金に算入する。
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2022年5月 問18 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2021年10月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。