タックスプランニング2022年4月1日時点の法令に基づく出題です
2022年9月 FP2級学科 問31
所得税における各種所得に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1不動産所得の金額は、原則として、「不動産所得に係る総収入金額-必要経費」の算式により計算される。
- 2賃貸の用に供している土地の所有者が、当該土地を取得した際に支出した仲介手数料は、当該土地の取得価額に算入されるため、その支払った年分の不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入することはできない。
- 3個人による不動産の貸付けが事業的規模である場合、その賃貸収入による所得は、事業所得に該当する。
- 4借家人が賃貸借の目的とされている居宅の立退きに際して受け取る立退き料(借家権の消滅の対価の額に相当する部分の金額を除く)は、原則として一時所得に該当する。
正解と解説AI解説
正解 肢3
本問の論点
所得税の不動産所得について、所得金額の計算方法、土地の取得費用、事業的規模の貸付けや立退き料の所得区分を問う問題である。不動産の貸付けによる所得は規模にかかわらず不動産所得となる点が中心的な論点である。
正解の根拠
所得税法第56条第1項は、「不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき事業」と定めており、不動産の貸付けを事業として行う場合も、その所得は不動産所得として扱われる。個人による不動産の貸付けが事業的規模であっても、その賃貸収入による所得は不動産所得であり、事業所得には該当しない。よって、正解は肢3。
各肢の検討
肢1:適切。不動産所得の金額は、原則として、その年中の不動産所得に係る総収入金額から必要経費を控除して計算する。
肢2:適切。土地の取得時に支出した仲介手数料は土地の取得価額に算入される。土地は減価償却資産ではないため、支払った年分の必要経費にはならない。
肢3:不適切。事業的規模の貸付けによる所得も不動産所得であり、事業所得には該当しない。
肢4:適切。借家人が受け取る立退き料は、借家権の消滅の対価に相当する部分(譲渡所得)を除き、原則として一時所得に該当する。
一言まとめ
不動産の貸付けによる所得は、事業的規模かどうかにかかわらず不動産所得。事業的規模かどうかは所得区分ではなく、所得金額の計算上の取扱いに影響すると押さえる。
一問一答各肢の正誤
○肢1不動産所得の金額は、原則として、「不動産所得に係る総収入金額-必要経費」の算式により計算される。
不動産所得の金額は、原則として、その年中の不動産所得に係る総収入金額から必要経費を控除した金額として計算される。
○肢2賃貸の用に供している土地の所有者が、当該土地を取得した際に支出した仲介手数料は、当該土地の取得価額に算入されるため、その支払った年分の不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入することはできない。
土地の取得時に支払った仲介手数料は土地の取得価額に算入され、土地は減価償却資産ではないため、支払った年分の必要経費にはならない。
×肢3個人による不動産の貸付けが事業的規模である場合、その賃貸収入による所得は、事業所得に該当する。
不動産所得を生ずべき事業という区分があるとおり、事業的規模の不動産の貸付けによる所得も不動産所得であり、事業所得には該当しない。
○肢4借家人が賃貸借の目的とされている居宅の立退きに際して受け取る立退き料(借家権の消滅の対価の額に相当する部分の金額を除く)は、原則として一時所得に該当する。
借家人が受け取る立退き料は、借家権の消滅の対価に相当する部分を除き、原則として一時所得に該当する。
関連条文解説で引用
- 所得税法第56条第1項
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2022年9月 問31 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2022年4月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。