相続・事業承継2022年4月1日時点の法令に基づく出題です
2022年9月 FP2級学科 問52
みなし贈与財産に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1契約者(=保険料負担者)および被保険者が父、死亡保険金受取人が子である生命保険契約において、父の死亡により子が受け取った死亡保険金は、子が父から贈与により取得したものとみなされ、贈与税の課税対象となる。
- 2委託者が父、受益者が子である信託契約を締結し、その効力が生じた場合において、子がその適正な対価を負担しなかったときには、その信託に関する権利は、原則として子が父から贈与により取得したものとみなされ、贈与税の課税対象となる。
- 3子が父から著しく低い価額の対価で土地を譲り受けた場合には、原則として、その相続税評価額と支払った対価の額との差額を限度に、子が父から贈与により取得したものとみなされ、贈与税の課税対象となる。
- 4離婚による財産分与により財産を取得した場合には、その価額が婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額等の事情を考慮して社会通念上相当な範囲内であったとしても、その取得した財産は、原則として贈与により取得したものとみなされ、贈与税の課税対象となる。
正解と解説AI解説
正解 肢2
本問の論点
贈与により取得したものとみなされる財産(みなし贈与財産)の範囲について、生命保険金、信託に関する権利、低額譲受け、離婚による財産分与を比較する問題である。
正解の根拠
相続税法第9条の2第1項は、信託の効力が生じた場合において、適正な対価を負担せずに当該信託の受益者等となる者があるときは、その者は当該信託に関する権利を当該信託の委託者から贈与により取得したものとみなすと定めている。委託者が父、受益者が子で、子が適正な対価を負担しない肢2はこれに当たる。よって、正解は肢2。
各肢の検討
肢1:不適切。保険料負担者と被保険者が同じ父で、子が受け取る死亡保険金は相続税の課税対象であり、贈与税ではない。
肢2:適切。適正な対価を負担せずに受益者等となった子は、信託に関する権利を父から贈与により取得したものとみなされる(相続税法第9条の2第1項)。
肢3:不適切。贈与とみなされるのは対価と譲渡時の時価との差額である(相続税法第7条第1項)。土地では時価は通常の取引価額とされ、相続税評価額ではない。
肢4:不適切。社会通念上相当な範囲内の財産分与は、原則として贈与税の課税対象とならない。
一言まとめ
信託は「対価なしで受益者になれば委託者からの贈与」。死亡保険金の課税は負担者・被保険者・受取人の関係で判定する。
一問一答各肢の正誤
×肢1契約者(=保険料負担者)および被保険者が父、死亡保険金受取人が子である生命保険契約において、父の死亡により子が受け取った死亡保険金は、子が父から贈与により取得したものとみなされ、贈与税の課税対象となる。
契約者(保険料負担者)と被保険者が同一の父で、子が受け取る死亡保険金は、相続により取得したものとみなされる相続税の課税対象であり、贈与税の課税対象ではない。
○肢2委託者が父、受益者が子である信託契約を締結し、その効力が生じた場合において、子がその適正な対価を負担しなかったときには、その信託に関する権利は、原則として子が父から贈与により取得したものとみなされ、贈与税の課税対象となる。
信託の効力が生じた場合に適正な対価を負担せずに受益者等となる者は、その信託に関する権利を委託者から贈与により取得したものとみなされる。
×肢3子が父から著しく低い価額の対価で土地を譲り受けた場合には、原則として、その相続税評価額と支払った対価の額との差額を限度に、子が父から贈与により取得したものとみなされ、贈与税の課税対象となる。
著しく低い価額の対価で財産を譲り受けた場合に贈与とみなされるのは、対価と譲渡時の財産の時価との差額であり、土地では時価は通常の取引価額とされ、相続税評価額との差額ではない。
×肢4離婚による財産分与により財産を取得した場合には、その価額が婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額等の事情を考慮して社会通念上相当な範囲内であったとしても、その取得した財産は、原則として贈与により取得したものとみなされ、贈与税の課税対象となる。
離婚による財産分与で取得した財産は、その価額が婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額等を考慮して社会通念上相当な範囲内であれば、原則として贈与税の課税対象とならない。
関連条文解説で引用
- 相続税法第9条の2第1項
- 相続税法第7条第1項
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2022年9月 問52 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2022年4月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。