相続・事業承継2022年4月1日時点の法令に基づく出題です
2022年9月 FP2級学科 問57
宅地および宅地の上に存する権利の相続税における評価に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、評価の対象となる宅地は、借地権(建物等の所有を目的とする地上権または賃借権)の設定に際し、その設定の対価として通常権利金その他の一時金を支払う「借地権の取引慣行のある地域」にあるものとする。また、宅地の上に存する権利は、定期借地権および一時使用目的の借地権等を除くものとする。
- 1Aさんが、借地権の設定に際して通常の権利金を支払って賃借した宅地の上にAさん名義の自宅を建築して居住の用に供していた場合において、Aさんの相続が開始したときには、相続税額の計算上、その宅地の上に存するAさんの権利の価額は、借地権として評価する。
- 2Bさんが所有する従前宅地であった土地を、車庫などの施設がない青空駐車場(月極駐車場)の用に供していた場合において、Bさんの相続が開始したときには、相続税額の計算上、その土地の価額は、自用地として評価する。
- 3Cさんが所有する宅地を子に権利金や地代の授受なく無償で貸し付け、子がアパートを建築して賃貸の用に供していた場合において、Cさんの相続が開始したときには、相続税額の計算上、そのアパートの敷地の用に供されている宅地の価額は、貸家建付地として評価する。
- 4Dさんが、借地権の設定に際して通常の権利金を支払って賃借した宅地の上にDさん名義のアパートを建築して賃貸の用に供していた場合において、Dさんの相続が開始したときには、相続税額の計算上、その宅地の上に存するDさんの権利の価額は、貸家建付借地権として評価する。
正解と解説AI解説
正解 肢3
本問の論点
宅地および宅地の上に存する権利を相続税で評価する際に、自用地・借地権・貸家建付地・貸家建付借地権のいずれとして評価するかを、利用状況と権利関係から判定させる問題である。
正解の根拠
権利金や地代の授受なく無償で土地を貸す使用貸借では、借主の権利は評価上考慮されず、貸主の宅地は自用地として評価する。アパートは子が所有する貸家であり、Cさんの宅地は貸家建付地とはならない。よって、正解は肢3。
各肢の検討
肢1:適切。建物の所有を目的とする土地の賃借権は借地権である(借地借家法第2条第1項第1号)。自宅の敷地として賃借していた権利は借地権として評価する。
肢2:適切。青空駐車場は建物の所有を目的とする権利が設定されていないため、自用地として評価する。
肢3:不適切。使用貸借による貸付けであり、宅地は自用地として評価する。
肢4:適切。借地権の上に自己所有のアパートを建てて賃貸している場合、その権利は貸家建付借地権として評価する。
一言まとめ
無償の使用貸借で貸した宅地は自用地評価、貸家建付地は土地所有者自身が貸家を所有している場合と押さえる。
一問一答各肢の正誤
○肢1Aさんが、借地権の設定に際して通常の権利金を支払って賃借した宅地の上にAさん名義の自宅を建築して居住の用に供していた場合において、Aさんの相続が開始したときには、相続税額の計算上、その宅地の上に存するAさんの権利の価額は、借地権として評価する。
建物の所有を目的とする土地の賃借権は借地権に当たり、Aさんが自宅の敷地として賃借していた宅地の上に存する権利は、借地権として評価する。
○肢2Bさんが所有する従前宅地であった土地を、車庫などの施設がない青空駐車場(月極駐車場)の用に供していた場合において、Bさんの相続が開始したときには、相続税額の計算上、その土地の価額は、自用地として評価する。
車庫などの施設がない青空駐車場として利用していた土地は、建物の所有を目的とする権利が設定されていないため、自用地として評価する。
×肢3Cさんが所有する宅地を子に権利金や地代の授受なく無償で貸し付け、子がアパートを建築して賃貸の用に供していた場合において、Cさんの相続が開始したときには、相続税額の計算上、そのアパートの敷地の用に供されている宅地の価額は、貸家建付地として評価する。
権利金や地代の授受がない使用貸借による貸付けでは、子の借主としての権利は評価上考慮されず、その宅地は自用地として評価するため、貸家建付地とする記述は誤り。
○肢4Dさんが、借地権の設定に際して通常の権利金を支払って賃借した宅地の上にDさん名義のアパートを建築して賃貸の用に供していた場合において、Dさんの相続が開始したときには、相続税額の計算上、その宅地の上に存するDさんの権利の価額は、貸家建付借地権として評価する。
通常の権利金を支払って賃借した借地権の上にDさん名義のアパートを建築して賃貸していた場合、その権利は貸家建付借地権として評価する。
関連条文解説で引用
- 借地借家法第2条第1項第1号
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2022年9月 問57 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2022年4月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。