リスク管理2022年10月1日時点の法令に基づく出題です
2023年1月 FP2級学科 問19
法人が所有する建物等を対象とした火災保険から受け取る保険金と圧縮記帳に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、契約している火災保険の契約者(=保険料負担者)および保険金受取人は法人であるものとする。
- 1工場建物および建物内に収容されている機械が全焼し、同一事業年度中に受け取った火災保険金で、焼失前と同様の工場建物および同一の機械を新たに取得した場合、当該工場建物・機械ともに圧縮記帳の対象となる。
- 2工場建物が全焼し、同一事業年度中に受け取った火災保険金で、その滅失した工場建物と同一種類に区分される倉庫建物を新築した場合、当該倉庫建物は圧縮記帳の対象とならない。
- 3工場建物が全焼し、同一事業年度中に受け取った火災保険金で、当該工場建物が滅失等をしたときにおいて現に建設中であった他の工場建物を完成させた場合、完成後の工場建物は圧縮記帳の対象となる。
- 4保険金で取得した代替資産の圧縮限度額を算出する際、「所有固定資産の滅失または損壊により支出する経費」には、ケガ人に対する見舞金を含めることができる。
正解と解説AI解説
正解 肢1
本問の論点
法人が火災保険金を受け取り、その保険金で代替資産を取得した場合の保険差益の圧縮記帳について、対象となる代替資産の範囲と、圧縮限度額の計算で差し引く滅失経費の範囲を問う問題である。
正解の根拠
保険差益の圧縮記帳は、滅失した固定資産に代わる同一種類の固定資産(代替資産)を保険金で取得した場合に認められる。工場建物と機械が全焼し、それぞれ同様の建物・同一の機械を取得したのであれば、いずれも代替資産として圧縮記帳の対象となる。よって、正解は肢1。
各肢の検討
肢1:適切。建物・機械それぞれ同一種類の代替資産を取得しており、両方が対象となる。
肢2:不適切。工場建物と倉庫建物は同一種類に区分されるので、倉庫建物も代替資産として圧縮記帳の対象となる。
肢3:不適切。滅失等の時に現に建設中であった資産は代替資産に該当しないため、それを完成させても対象外である。
肢4:不適切。滅失経費は取壊費、焼跡の整理費、消防費など資産の滅失に直接関連する費用であり、ケガ人に対する見舞金は含めることができない。
一言まとめ
代替資産は「同一種類」「滅失後に取得」、滅失経費は「資産に直接かかる費用」と押さえ、人に対する見舞金は除くと覚える。
一問一答各肢の正誤
○肢1工場建物および建物内に収容されている機械が全焼し、同一事業年度中に受け取った火災保険金で、焼失前と同様の工場建物および同一の機械を新たに取得した場合、当該工場建物・機械ともに圧縮記帳の対象となる。
滅失した工場建物と機械のそれぞれについて、同一種類の代替資産を保険金で取得しているため、建物・機械ともに保険差益の圧縮記帳の対象となる。
×肢2工場建物が全焼し、同一事業年度中に受け取った火災保険金で、その滅失した工場建物と同一種類に区分される倉庫建物を新築した場合、当該倉庫建物は圧縮記帳の対象とならない。
代替資産は滅失した資産と同一種類の固定資産であればよく、同一種類に区分される倉庫建物を新築した場合も圧縮記帳の対象となるため誤り。
×肢3工場建物が全焼し、同一事業年度中に受け取った火災保険金で、当該工場建物が滅失等をしたときにおいて現に建設中であった他の工場建物を完成させた場合、完成後の工場建物は圧縮記帳の対象となる。
滅失等の時において現に建設中であった資産は代替資産に該当しないため、保険金で完成させても圧縮記帳の対象とならず誤り。
×肢4保険金で取得した代替資産の圧縮限度額を算出する際、「所有固定資産の滅失または損壊により支出する経費」には、ケガ人に対する見舞金を含めることができる。
滅失等により支出する経費は取壊費や焼跡の整理費など資産の滅失に直接関連するものに限られ、ケガ人への見舞金は含まれないため誤り。
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2023年1月 問19 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2022年10月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。