金融資産運用2022年10月1日時点の法令に基づく出題です
2023年1月 FP2級学科 問28
上場株式の譲渡および配当(一定の大口株主等が受けるものを除く)に係る税金に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、本問においては、NISA(少額投資非課税制度)により投資収益が非課税となる口座をNISA口座という。
- 1上場株式の配当について、総合課税を選択して確定申告をした場合、上場株式の譲渡損失の金額と損益通算することができる。
- 2上場株式等に係る配当所得等の金額と損益通算してもなお控除しきれない上場株式の譲渡損失の金額は、確定申告をすることにより、翌年以後5年間にわたって繰り越すことができる。
- 3NISA口座で保有する上場株式の配当金を非課税扱いにするためには、配当金の受取方法として株式数比例配分方式を選択しなければならない。
- 4NISA口座で保有する上場株式を売却したことで生じた譲渡損失の金額は、確定申告をすることにより、特定口座内の上場株式の譲渡益の金額と通算することができる。
正解と解説AI解説
正解 肢3
本問の論点
上場株式の配当・譲渡損失の課税関係と、NISA口座で保有する上場株式の配当・譲渡損失の取扱いを問う問題である。
正解の根拠
NISA口座内の上場株式等の配当等が非課税となるのは、非課税口座を開設した金融商品取引業者等が国内における支払の取扱者である配当等に限られる(措置法第9条の8第1項)。このため、配当金を金融商品取引業者等の口座で受け取る株式数比例配分方式を選択する必要がある。よって、正解は肢3。
各肢の検討
肢1:不適切。譲渡損失と損益通算できるのは上場株式等に係る配当所得等の金額である(措置法第37条の12の2第1項)。総合課税を選択した配当は対象外となる。
肢2:不適切。控除しきれない譲渡損失は、確定申告を要件として翌年以後3年間にわたり繰り越して控除できる(措置法第37条の12の2第5項)。5年間ではない。
肢3:適切。上記のとおりである。
肢4:不適切。NISA口座内の譲渡損失はないものとみなされる(措置法第37条の14第2項)。特定口座の譲渡益とは通算できない。
一言まとめ
NISAの配当は株式数比例配分方式で非課税、NISAの譲渡損失は通算も繰越もできない。
一問一答各肢の正誤
×肢1上場株式の配当について、総合課税を選択して確定申告をした場合、上場株式の譲渡損失の金額と損益通算することができる。
上場株式等の譲渡損失と損益通算できるのは申告分離課税の上場株式等に係る配当所得等の金額に限られ、申告分離課税の適用を受ける旨を記載した確定申告書を提出しない総合課税の配当は対象にならない。
×肢2上場株式等に係る配当所得等の金額と損益通算してもなお控除しきれない上場株式の譲渡損失の金額は、確定申告をすることにより、翌年以後5年間にわたって繰り越すことができる。
控除しきれない上場株式等の譲渡損失の繰越控除は、前年以前3年内の各年に生じた損失が対象であり、5年間ではない。
○肢3NISA口座で保有する上場株式の配当金を非課税扱いにするためには、配当金の受取方法として株式数比例配分方式を選択しなければならない。
NISA口座内の上場株式等の配当等の非課税は、非課税口座を開設した金融商品取引業者等が国内における支払の取扱者である配当等に限られるため、株式数比例配分方式を選択する必要がある。
×肢4NISA口座で保有する上場株式を売却したことで生じた譲渡損失の金額は、確定申告をすることにより、特定口座内の上場株式の譲渡益の金額と通算することができる。
NISA口座内の上場株式等の譲渡損失は所得税に関する法令の規定の適用上ないものとみなされるため、特定口座内の譲渡益と通算することはできない。
関連条文解説で引用
- 措置法第37条の12の2第1項
- 措置法第8条の4第2項
- 措置法第37条の12の2第5項
- 措置法第9条の8第1項
- 措置法第37条の14第2項
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2023年1月 問28 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2022年10月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。