タックスプランニング2022年10月1日時点の法令に基づく出題です
2023年5月 FP2級学科 問33
所得税の損益通算に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1不動産所得の金額の計算上生じた損失の金額のうち、不動産所得を生ずべき業務の用に供する土地の取得に要した負債の利子に相当する部分の金額は、給与所得の金額と損益通算できる。
- 2先物取引に係る雑所得の金額の計算上生じた損失の金額は、不動産所得の金額と損益通算することができる。
- 3生命保険を解約して解約返戻金を受け取ったことによる一時所得の金額の計算上生じた損失の金額は、事業所得の金額と損益通算することができる。
- 4農業に係る事業所得の金額の計算上生じた損失の金額は、不動産所得の金額と損益通算することができる。
正解と解説AI解説
正解 肢4
本問の論点
所得税の損益通算について、ある所得の損失を他の所得と通算できるかを所得の種類ごとに問う問題である。不動産所得の土地等に係る負債の利子、先物取引に係る雑所得、一時所得の損失の扱いが問われている。
正解の根拠
損益通算の対象となるのは、不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得の金額の計算上生じた損失である。農業から生ずる所得は事業所得であり、その損失は不動産所得の金額と損益通算することができる。よって、正解は肢4。
各肢の検討
肢1:不適切。不動産所得の損失のうち、土地等を取得するために要した負債の利子の額に相当する部分の金額は、生じなかったものとみなされる(措置法第41条の4第1項)。給与所得とは通算できない。
肢2:不適切。先物取引に係る雑所得の損失は、先物取引による事業所得の金額及び譲渡所得の金額から控除する仕組みであり(租税特別措置法施行令第26条の23第1項)、不動産所得とは通算できない。
肢3:不適切。一時所得の損失は損益通算の対象外であり、事業所得と通算できない。
肢4:適切。事業所得の損失は損益通算の対象である。
一言まとめ
損益通算できる損失は「不動産・事業・山林・譲渡」の損失、ただし不動産所得の土地等の負債利子部分は除かれる、と押さえる。
一問一答各肢の正誤
×肢1不動産所得の金額の計算上生じた損失の金額のうち、不動産所得を生ずべき業務の用に供する土地の取得に要した負債の利子に相当する部分の金額は、給与所得の金額と損益通算できる。
不動産所得の損失のうち、土地等を取得するために要した負債の利子の額に相当する部分の金額は生じなかったものとみなされるため、給与所得と損益通算できない。
×肢2先物取引に係る雑所得の金額の計算上生じた損失の金額は、不動産所得の金額と損益通算することができる。
先物取引に係る雑所得の金額の計算上生じた損失の金額は、先物取引による事業所得の金額及び譲渡所得の金額から控除するものであり、不動産所得の金額と損益通算することはできない。
×肢3生命保険を解約して解約返戻金を受け取ったことによる一時所得の金額の計算上生じた損失の金額は、事業所得の金額と損益通算することができる。
一時所得の金額の計算上生じた損失は損益通算の対象とならないため、解約返戻金による一時所得の損失を事業所得の金額と通算することはできない。
○肢4農業に係る事業所得の金額の計算上生じた損失の金額は、不動産所得の金額と損益通算することができる。
農業から生ずる所得は事業所得であり、事業所得の金額の計算上生じた損失は損益通算の対象となるため、不動産所得の金額と通算できる。
関連条文解説で引用
- 措置法第41条の4第1項
- 租税特別措置法施行令第26条の23第1項
- 租税特別措置法施行令第26条の23第1項第3号
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2023年5月 問33 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2022年10月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。