相続・事業承継2023年4月1日時点の法令に基づく出題です
2023年9月 FP2級学科 問55
民法上の相続分に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。
- 1被相続人は、遺言で、共同相続人の相続分を定めることができるが、これを定めることを第三者に委託することはできない。
- 2共同相続人の1人が遺産の分割前にその相続分を共同相続人以外の第三者に譲り渡した場合、他の共同相続人は、当該第三者に対して一定期間内にその価額および費用を支払うことで、その相続分を譲り受けることができる。
- 3父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の法定相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の法定相続分と同じである。
- 4養子の法定相続分は、実子の法定相続分の2分の1である。
正解と解説AI解説
正解 肢2
本問の論点
民法上の相続分について、遺言による相続分の指定の方法、相続分の取戻権、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の法定相続分、養子の法定相続分を問う問題である。
正解の根拠
共同相続人の一人が遺産の分割前にその相続分を第三者に譲り渡したときは、他の共同相続人は、その価額及び費用を償還して、その相続分を譲り受けることができる(民法第905条第1項)。この権利は一箇月以内に行使しなければならない(民法第905条第2項)。肢2の「一定期間内にその価額および費用を支払うことで」譲り受けられるという記述は、これに合致する。よって、正解は肢2。
各肢の検討
肢1:被相続人は、遺言で相続分を定め、又はこれを定めることを第三者に委託することができる(民法第902条第1項)。委託できないとする記述は不適切。
肢2:相続分の取戻権の内容どおりで適切。
肢3:父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とされる(民法第900条第1項第4号)。同じとする記述は不適切。
肢4:子が数人あるときは各自の相続分は相等しいとされ、養子も子として実子と同じ相続分となる。2分の1とする記述は不適切。
一言まとめ
相続分の指定は第三者への委託も可、取戻権は一箇月以内、半血の兄弟姉妹は二分の一、養子と実子は同じ。
一問一答各肢の正誤
×肢1被相続人は、遺言で、共同相続人の相続分を定めることができるが、これを定めることを第三者に委託することはできない。
被相続人は、遺言で共同相続人の相続分を定めることも、これを定めることを第三者に委託することもできるため誤り。
○肢2共同相続人の1人が遺産の分割前にその相続分を共同相続人以外の第三者に譲り渡した場合、他の共同相続人は、当該第三者に対して一定期間内にその価額および費用を支払うことで、その相続分を譲り受けることができる。
相続分が遺産分割前に第三者に譲り渡されたときは、他の共同相続人は価額及び費用を償還して一箇月以内に取り戻すことができるため正しい。
×肢3父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の法定相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の法定相続分と同じである。
父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とされるため誤り。
×肢4養子の法定相続分は、実子の法定相続分の2分の1である。
子が数人あるときの各自の相続分は相等しいとされ、養子も子として実子と同じ相続分となるため、二分の一とする記述は誤り。
関連条文解説で引用
- 民法第902条第1項
- 民法第905条第1項
- 民法第905条第2項
- 民法第900条第1項第4号
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2023年9月 問55 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2023年4月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。