相続・事業承継2023年4月1日時点の法令に基づく出題です
2023年9月 FP2級学科 問56
民法上の遺言に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1相続人が自筆証書遺言を発見し、家庭裁判所の検認を受ける前に開封した場合、その遺言は無効となる。
- 2遺言者が自筆証書遺言に添付する財産目録をパソコンで作成する場合、当該目録への署名および押印は不要である。
- 3公正証書遺言の作成において、遺言者の推定相続人とその配偶者は証人として立ち会うことができない。
- 4公正証書遺言は、自筆証書遺言によって撤回することはできず、公正証書遺言によってのみ撤回することができる。
正解と解説AI解説
正解 肢3
本問の論点
民法上の遺言について、遺言書の検認と開封、自筆証書遺言の財産目録の方式、公正証書遺言の証人になれない者、遺言の撤回の方式を問う問題である。
正解の根拠
公正証書遺言の作成には証人の立会いが必要であるが、推定相続人および受遺者並びにこれらの配偶者および直系血族は証人となることができない。したがって、遺言者の推定相続人とその配偶者は、証人として立ち会うことができない。よって、正解は肢3。
各肢の検討
肢1:封印のある遺言書は、家庭裁判所において相続人又はその代理人の立会いがなければ開封することができない(民法第1004条第3項)。しかし、検認前に開封しても遺言そのものが無効になるわけではないため不適切。
肢2:財産目録はパソコンで作成できるが、目録の各ページに遺言者の署名および押印が必要であり、不要とする記述は不適切。
肢3:推定相続人とその配偶者は証人になれないため適切。
肢4:遺言者は、いつでも、遺言の方式に従って、その遺言の全部又は一部を撤回することができる(民法第1022条第1項)。撤回する遺言は元の遺言と同じ方式である必要はなく、自筆証書遺言でも撤回できるため不適切。
一言まとめ
検認前の開封でも遺言は無効にならない、財産目録は署名押印が必要、撤回は遺言の方式であれば種類を問わない。
一問一答各肢の正誤
×肢1相続人が自筆証書遺言を発見し、家庭裁判所の検認を受ける前に開封した場合、その遺言は無効となる。
封印のある遺言書は家庭裁判所で相続人等の立会いのもとで開封する手続が定められているが、検認前に開封しても遺言そのものが無効になるわけではないため誤り。
×肢2遺言者が自筆証書遺言に添付する財産目録をパソコンで作成する場合、当該目録への署名および押印は不要である。
自筆証書遺言の財産目録はパソコンで作成できるが、目録の各ページに遺言者の署名および押印が必要であるため誤り。
○肢3公正証書遺言の作成において、遺言者の推定相続人とその配偶者は証人として立ち会うことができない。
推定相続人および受遺者並びにこれらの配偶者および直系血族は公正証書遺言の証人となることができないため正しい。
×肢4公正証書遺言は、自筆証書遺言によって撤回することはできず、公正証書遺言によってのみ撤回することができる。
遺言者はいつでも遺言の方式に従って遺言を撤回でき、撤回する遺言の方式は元の遺言と同じである必要がないため、自筆証書遺言でも撤回できる。
関連条文解説で引用
- 民法第1004条第3項
- 民法第1022条第1項
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2023年9月 問56 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2023年4月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。