相続・事業承継2023年10月1日時点の法令に基づく出題です
2024年5月 FP2級学科 問54
代償分割に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1代償分割は、現物分割を困難とする事由がある場合に、共同相続人の全員が家庭裁判所に申し立て、その審判を受けることにより認められる遺産分割の方法である。
- 2代償分割により遺産分割を行う場合、代償財産の支払期日や支払方法などを記載した遺産分割協議書を公正証書によって作成しなければならない。
- 3相続人が代償分割により他の相続人に交付する代償財産は、金銭に限られる。
- 4相続人が代償分割により他の相続人から交付を受けた代償財産は、相続税の課税対象となる。
正解と解説AI解説
正解 肢4
本問の論点
遺産分割の方法の一つである代償分割について、認められる手続、協議書の方式、代償財産の種類、課税関係を問う問題である。
正解の根拠
代償分割は、特定の相続人が遺産を取得する代わりに、他の相続人に対して自己の財産を交付する分割方法である。代償財産を受け取った相続人にとって、それは遺産分割によって得た財産であり、相続により取得した財産として相続税の課税対象となる。一方、代償財産を交付した相続人は、取得した遺産の価額から交付した代償財産の価額を控除した金額が課税価格の基礎となる。よって、正解は肢4。
各肢の検討
肢1:不適切。共同相続人は協議で遺産の分割をすることができ(民法第907条第1項)、代償分割も協議で行える。家庭裁判所の審判が必須ではない。
肢2:不適切。遺産分割協議書を公正証書で作成する義務はない。
肢3:不適切。代償財産は金銭に限られず、不動産等も交付できる。
肢4:適切。受け取った代償財産は相続税の課税対象となる。
一言まとめ
代償分割は協議でも可能、方式自由、代償財産は金銭以外も可、受け取った側は相続税の課税対象と押さえる。
一問一答各肢の正誤
×肢1代償分割は、現物分割を困難とする事由がある場合に、共同相続人の全員が家庭裁判所に申し立て、その審判を受けることにより認められる遺産分割の方法である。
代償分割は家庭裁判所の審判によらなければならない方法ではなく、共同相続人は協議で遺産の分割をすることができるため、協議による代償分割も可能であり誤りである。
×肢2代償分割により遺産分割を行う場合、代償財産の支払期日や支払方法などを記載した遺産分割協議書を公正証書によって作成しなければならない。
代償分割による遺産分割協議書を公正証書で作成しなければならないという決まりはなく、私署の遺産分割協議書でもよいため誤りである。
×肢3相続人が代償分割により他の相続人に交付する代償財産は、金銭に限られる。
代償財産は金銭に限られず、代償分割をする相続人の固有の不動産などを交付することもできるため誤りである。
○肢4相続人が代償分割により他の相続人から交付を受けた代償財産は、相続税の課税対象となる。
代償分割により他の相続人から交付を受けた代償財産は、相続により取得した財産として相続税の課税対象となるため正しい。
関連条文解説で引用
- 民法第907条第1項
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2024年5月 問54 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2023年10月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。