相続・事業承継2023年10月1日時点の法令に基づく出題です
2024年5月 FP2級学科 問55
民法に規定する相続の承認および放棄に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1契約者(=保険料負担者)および被保険者を被相続人とする生命保険契約の死亡保険金受取人に指定されていた相続人が、被相続人の死亡により死亡保険金を受け取った場合、その相続について単純承認をしたものとみなされる。
- 2相続人が相続の単純承認をした場合、原則として、被相続人のすべての権利義務を承継する。
- 3相続の放棄をしようとする者は、原則として、相続の開始があったことを知った時から3ヵ月以内に、家庭裁判所に相続の放棄をする旨を申述しなければならない。
- 4被相続人の子が相続の放棄をした場合、その相続の放棄をした者の子(被相続人の孫)は、代襲相続人とならない。
正解と解説AI解説
正解 肢1
本問の論点
相続の単純承認・放棄について、法定単純承認となる行為、単純承認の効果、放棄の期間と方式、放棄と代襲相続の関係を問う問題である。
正解の根拠
民法第921条第1項第1号は、相続人が相続財産の全部又は一部を処分したときは単純承認をしたものとみなすと定める。しかし、受取人に指定された相続人が受け取る死亡保険金は、保険契約に基づく受取人固有の財産であり、相続財産ではない。そのため、死亡保険金を受け取っても相続財産の処分にはあたらず、単純承認をしたものとはみなされない。よって、正解は肢1。
各肢の検討
肢1:不適切。死亡保険金は相続財産ではなく、受領は法定単純承認事由にあたらない。
肢2:適切。単純承認をすると、原則として被相続人の権利義務をすべて承継する。
肢3:適切。自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に(民法第915条第1項)、家庭裁判所に申述して行う(民法第938条第1項)。
肢4:適切。放棄した者は初めから相続人とならなかったものとみなされ(民法第939条第1項)、代襲相続は生じない。
一言まとめ
死亡保険金は受取人固有の財産なので、受け取っても放棄は可能。放棄は代襲原因にならない。
一問一答各肢の正誤
×肢1契約者(=保険料負担者)および被保険者を被相続人とする生命保険契約の死亡保険金受取人に指定されていた相続人が、被相続人の死亡により死亡保険金を受け取った場合、その相続について単純承認をしたものとみなされる。
死亡保険金は受取人に指定された相続人の固有の財産であって相続財産ではないため、これを受け取っても相続財産の処分にあたらず、単純承認をしたものとはみなされない。
○肢2相続人が相続の単純承認をした場合、原則として、被相続人のすべての権利義務を承継する。
相続人が単純承認をしたときは、原則として、被相続人の一身に専属したものを除き、被相続人の権利義務をすべて承継するため正しい。
○肢3相続の放棄をしようとする者は、原則として、相続の開始があったことを知った時から3ヵ月以内に、家庭裁判所に相続の放棄をする旨を申述しなければならない。
相続人は自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に放棄をしなければならず、放棄はその旨を家庭裁判所に申述して行うため正しい。
○肢4被相続人の子が相続の放棄をした場合、その相続の放棄をした者の子(被相続人の孫)は、代襲相続人とならない。
相続の放棄をした者は初めから相続人とならなかったものとみなされるため、その子は放棄した者を代襲して相続人となることはなく、正しい。
関連条文解説で引用
- 民法第921条第1項
- 民法第921条第1項第1号
- 民法第938条第1項
- 民法第915条第1項
- 民法第939条第1項
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2024年5月 問55 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2023年10月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。