相続・事業承継2024年4月1日時点の法令に基づく出題です
2025年5月公表分(CBT) FP2級学科 問60
非上場企業の事業承継対策等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1株式の発行会社が、経営者以外の少数株主が保有する自社株式を買い取ることにより、当該会社の株式の分散を防止または抑制することができる。
- 2経営者への役員退職金の原資を準備する方法として、契約者(=保険料負担者)および死亡保険金受取人を法人、被保険者を経営者とする終身保険などの生命保険に加入することが考えられる。
- 3「非上場株式等についての贈与税の納税猶予及び免除の特例」の適用を受けるためには、特例承継計画を策定して、所定の期限までに都道府県知事に提出し、その確認を受ける必要がある。
- 4「非上場株式等についての贈与税の納税猶予及び免除の特例」の適用を受ける場合、当該非上場株式等の贈与について相続時精算課税制度を選択することはできない。
正解と解説AI解説
正解 肢4
本問の論点
非上場企業の事業承継対策として、自社株式の分散防止、役員退職金の原資準備、事業承継税制(特例措置)の手続と相続時精算課税との関係を問う問題である。
正解の根拠
一般措置の規定では、対象受贈非上場株式等が相続時精算課税の適用を受けるものである場合、その価額を課税価格とみなして相続時精算課税の税額計算の規定により納税猶予分の贈与税額を計算すると定められている(措置法第70条の7第2項第5号)。つまり両制度の併用が予定されており、特例措置でも同様である。「選択することはできない」とする肢4は誤りである。よって、正解は肢4。
各肢の検討
肢1:適切。発行会社が少数株主から自社株式を買い取れば株主が集約され、株式の分散を防止・抑制できる。
肢2:適切。契約者・死亡保険金受取人を法人、被保険者を経営者とする終身保険は、死亡保険金や解約返戻金を役員退職金の原資に充てることができる。
肢3:適切。特例措置の適用には、特例承継計画を策定し、所定の期限までに都道府県知事に提出して確認を受ける必要がある。
肢4:不適切。納税猶予の対象株式について相続時精算課税を選択することは可能である(措置法第70条の7第2項第5号)。
一言まとめ
事業承継税制は相続時精算課税と併用できる。「併用不可」「選択できない」という記述が出たら誤りと判断する。
一問一答各肢の正誤
○肢1株式の発行会社が、経営者以外の少数株主が保有する自社株式を買い取ることにより、当該会社の株式の分散を防止または抑制することができる。
発行会社が経営者以外の少数株主から自社株式を買い取れば株主が集約され、株式の分散を防止・抑制できるため適切である。
○肢2経営者への役員退職金の原資を準備する方法として、契約者(=保険料負担者)および死亡保険金受取人を法人、被保険者を経営者とする終身保険などの生命保険に加入することが考えられる。
契約者・死亡保険金受取人を法人、被保険者を経営者とする終身保険は、死亡保険金や解約返戻金を役員退職金の原資に充てられるため適切である。
○肢3「非上場株式等についての贈与税の納税猶予及び免除の特例」の適用を受けるためには、特例承継計画を策定して、所定の期限までに都道府県知事に提出し、その確認を受ける必要がある。
特例措置の適用には、特例承継計画を策定して所定の期限までに都道府県知事に提出し、その確認を受ける必要があるため適切である。
×肢4「非上場株式等についての贈与税の納税猶予及び免除の特例」の適用を受ける場合、当該非上場株式等の贈与について相続時精算課税制度を選択することはできない。
対象受贈非上場株式等が相続時精算課税の適用を受ける場合の納税猶予分の贈与税額の計算が定められており、相続時精算課税との併用は可能であるため不適切である。
関連条文解説で引用
- 措置法第70条の7第2項第5号
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験(2025年5月公表分) 問60 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2024年4月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。