相続・事業承継2024年4月1日時点の法令に基づく出題です
2025年5月公表分(CBT) FP2級学科 問59
「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」(以下、「本特例」という)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、各選択肢において、ほかに必要な要件等はすべて満たしているものとする。
- 1被相続人と配偶者が同居し、居住の用に供していた宅地を、被相続人と同居していなかった子が相続により取得した場合、その宅地について本特例の適用を受けることはできない。
- 2被相続人と配偶者が同居し、居住の用に供していた宅地を、配偶者が相続により取得し、その宅地を相続税の申告期限までに第三者に売却した場合、その宅地について本特例の適用を受けることはできない。
- 3被相続人が居住の用に供していた宅地を、相続開始の直前において被相続人と同居していなかった配偶者が相続により取得した場合、その宅地について本特例の適用を受けることはできない。
- 4被相続人と配偶者および相続人ではない孫が同居し、居住の用に供していた宅地を、その孫が遺贈により取得した場合、その宅地について本特例の適用を受けることはできない。
正解と解説AI解説
正解 肢1
本問の論点
小規模宅地等の特例のうち、被相続人の居住用宅地を誰が取得すれば特定居住用宅地等に当たるかを問う問題である。配偶者と他の親族で要件が異なる点がポイントとなる。
正解の根拠
措置法第69条の4第3項第2号は、特定居住用宅地等を、被相続人の配偶者が取得したもの、または同居親族・いわゆる家なき子・生計を一にする親族の要件のいずれかを満たす親族が取得したものと定めている。家なき子の要件は、配偶者や同居していた相続人がいない場合に限られる。肢1では配偶者が被相続人と同居していたため、同居していなかった子は家なき子の要件を満たさず、同居親族の要件も満たさない。したがって、その子は適用を受けられない。よって、正解は肢1。
各肢の検討
肢1:適切。配偶者がいるため家なき子に当たらず、同居もしていないので適用不可。
肢2:不適切。配偶者の取得には保有・居住継続の要件がなく、売却しても適用を受けられる。
肢3:不適切。配偶者には同居の要件もなく、適用を受けられる。
肢4:不適切。相続人でない孫も親族であり、同居親族として遺贈で取得し保有・居住を継続すれば適用を受けられる。
一言まとめ
配偶者は取得するだけでよく、同居親族は申告期限までの保有・居住継続、家なき子は配偶者や同居相続人がいない場合に限る、と取得者ごとに整理しよう。
一問一答各肢の正誤
○肢1被相続人と配偶者が同居し、居住の用に供していた宅地を、被相続人と同居していなかった子が相続により取得した場合、その宅地について本特例の適用を受けることはできない。
被相続人と同居していた配偶者がいるため、同居していなかった子は家なき子の要件を満たさず、同居親族の要件も満たさないので特例の適用を受けられない。
×肢2被相続人と配偶者が同居し、居住の用に供していた宅地を、配偶者が相続により取得し、その宅地を相続税の申告期限までに第三者に売却した場合、その宅地について本特例の適用を受けることはできない。
配偶者が取得した場合は申告期限までの保有や居住継続の要件が課されないため、申告期限までに売却しても特例の適用を受けることができる。
×肢3被相続人が居住の用に供していた宅地を、相続開始の直前において被相続人と同居していなかった配偶者が相続により取得した場合、その宅地について本特例の適用を受けることはできない。
配偶者には同居の要件もないため、被相続人と同居していなかった配偶者が居住用宅地を取得した場合でも特例の適用を受けることができる。
×肢4被相続人と配偶者および相続人ではない孫が同居し、居住の用に供していた宅地を、その孫が遺贈により取得した場合、その宅地について本特例の適用を受けることはできない。
相続開始直前に同居していた親族が遺贈で取得し、申告期限まで保有・居住を継続すれば特定居住用宅地等に当たり、相続人でない孫も対象となる。
関連条文解説で引用
- 措置法第69条の4第3項第2号
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験(2025年5月公表分) 問59 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2024年4月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。