相続・事業承継2017年10月1日時点の法令に基づく出題です
2018年5月 FP2級学科 問52
贈与税の課税財産に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1扶養義務者から取得した財産のうち、生活費として通常必要と認められるものは、贈与税の課税対象とならない。
- 2子が、父の所有する土地を無償で借り受け、その土地の上に建物を建築した場合には、父から子へ借地権相当額の贈与があったものとして贈与税の課税対象となる。
- 3離婚による財産分与として取得した財産は、その価額が婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額等を考慮して社会通念上相当な範囲内である場合、原則として、贈与税の課税対象とならない。
- 4個人の債務者が資力を喪失して債務を弁済することが困難になり、その債務の免除を受けた場合、債務免除益のうち債務を弁済することが困難である部分の金額は、贈与税の課税対象とならない。
正解と解説AI解説
正解 肢2
本問の論点
贈与税の課税対象となる財産とならない財産の区別を問う問題で、扶養義務者からの生活費、借地権、財産分与、債務免除益の各取扱いが論点です。
正解の根拠
子が父の土地を無償で借りて建物を建てる場合は、地代の授受のない使用貸借にあたり、借地権の利益は生じないものとして取り扱われ、借地権相当額の贈与とはなりません。肢2は贈与税の課税対象になるとしており誤りです。よって、正解は肢2。
各肢の検討
肢1:適切。扶養義務者相互間で生活費に充てるための贈与で通常必要と認められるものは、贈与税の課税価格に算入されません(相続税法第21条の3第1項第2号)。
肢2:不適切。使用貸借では借地権相当額の贈与はなく、課税対象になりません。
肢3:適切。社会通念上相当な範囲の財産分与は、原則として贈与税の対象外です。
肢4:適切。資力を喪失した債務者が債務の免除を受けた場合、弁済が困難な部分の金額は贈与とみなされません(相続税法第8条第1項)。債務免除を受けたときがこれに当たります(相続税法第8条第1項第1号)。
一言まとめ
「使うだけの無償借り」は借地権の贈与にならない、と覚えます。通常必要な生活費・相当な財産分与・弁済困難部分の債務免除も非課税側です。
一問一答各肢の正誤
○肢1扶養義務者から取得した財産のうち、生活費として通常必要と認められるものは、贈与税の課税対象とならない。
扶養義務者相互間で生活費に充てるためにした贈与で通常必要と認められるものは、贈与税の課税価格に算入されない。
×肢2子が、父の所有する土地を無償で借り受け、その土地の上に建物を建築した場合には、父から子へ借地権相当額の贈与があったものとして贈与税の課税対象となる。
地代を支払わない使用貸借では借地権の利益が生じないものとして扱われ、借地権相当額の贈与とはならず、記述は誤りである。
○肢3離婚による財産分与として取得した財産は、その価額が婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額等を考慮して社会通念上相当な範囲内である場合、原則として、贈与税の課税対象とならない。
社会通念上相当な範囲内の離婚による財産分与は、婚姻中の協力で得た財産の清算であり、原則として贈与税の課税対象とならない。
○肢4個人の債務者が資力を喪失して債務を弁済することが困難になり、その債務の免除を受けた場合、債務免除益のうち債務を弁済することが困難である部分の金額は、贈与税の課税対象とならない。
資力を喪失し弁済が困難な債務者が債務の免除を受けた場合、その弁済困難な部分の金額は、贈与により取得したものとみなされない。
関連条文解説で引用
- 相続税法第21条の3第1項第2号
- 相続税法第8条第1項
- 相続税法第8条第1項第1号
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2018年5月 問52 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2017年10月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。