相続・事業承継2017年10月1日時点の法令に基づく出題です
2018年5月 FP2級学科 問54
法定後見制度に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1法定後見制度には、精神上の障害による本人の判断能力の程度によって、後見、保佐および補助の3種類の類型がある。
- 2後見の開始の審判の申立てができる者は、本人、その配偶者またはその4親等内の親族に限られる。
- 3成年後見人となるためには、弁護士や司法書士など一定の資格を有していなければならない。
- 4成年後見人は、成年被後見人が行ったすべての行為について、取り消すことができる。
正解と解説AI解説
正解 肢1
本問の論点
法定後見制度の類型、後見開始の審判を請求できる者、成年後見人になれる者、成年被後見人の行為の取消しの範囲を問う問題です。条文の例外や列挙の範囲を正確に読めるかが分かれ目です。
正解の根拠
民法第7条第1項は、事理を弁識する能力を欠く常況にある者について後見開始の審判を認めています。民法第11条第1項は著しく不十分な者について保佐開始の審判を、民法第15条第1項は不十分な者について補助開始の審判を認めています。判断能力の程度に応じた3類型があるので、肢1は正しい記述です。よって、正解は肢1。
各肢の検討
肢1:適切。後見・保佐・補助の3類型があります。
肢2:不適切。後見開始の審判は、本人・配偶者・四親等内の親族のほか、未成年後見人、保佐人、補助人、検察官なども請求できるため、「限られる」は誤りです。
肢3:不適切。民法第847条第1項は後見人となれない者(欠格事由)を列挙しているだけで、弁護士や司法書士などの資格を要件とはしていません。
肢4:不適切。成年被後見人の法律行為は取り消せますが、日用品の購入その他日常生活に関する行為は対象外です(民法第9条第1項)。
一言まとめ
「申立権者は親族に限られない」「日常生活に関する行為は取り消せない」と、限定的な表現や「すべて」とある選択肢には注意しましょう。
一問一答各肢の正誤
○肢1法定後見制度には、精神上の障害による本人の判断能力の程度によって、後見、保佐および補助の3種類の類型がある。
後見は事理弁識能力を欠く常況、保佐は著しく不十分、補助は不十分な者を対象とし、判断能力の程度に応じて後見・保佐・補助の3類型が定められている。
×肢2後見の開始の審判の申立てができる者は、本人、その配偶者またはその4親等内の親族に限られる。
後見開始の審判は、本人・配偶者・四親等内の親族のほか、未成年後見人、保佐人、補助人、検察官なども請求でき、「限られる」は誤りである。
×肢3成年後見人となるためには、弁護士や司法書士など一定の資格を有していなければならない。
後見人については、未成年者や破産者などの欠格事由が列挙されているだけで、弁護士や司法書士などの資格を就任の要件とする定めはない。
×肢4成年後見人は、成年被後見人が行ったすべての行為について、取り消すことができる。
成年被後見人の法律行為は取り消せるが、日用品の購入その他日常生活に関する行為は取消しの対象から除かれており、「すべての行為」は誤りである。
関連条文解説で引用
- 民法第7条第1項
- 民法第11条第1項
- 民法第15条第1項
- 民法第847条第1項
- 民法第9条第1項
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2018年5月 問54 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2017年10月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。