リスク管理2020年10月1日時点の法令に基づく出題です
2021年1月 FP2級学科 問15
契約者(=保険料負担者)を法人、被保険者を役員とする生命保険に係る保険料等の経理処理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、いずれの保険契約も2020年10月に締結し、他に加入している保険契約はなく、保険料は年払いであるものとする。
- 1法人が受け取った医療保険の入院給付金は、その全額を益金の額に算入する。
- 2死亡保険金受取人が法人である終身保険の支払保険料は、その全額を資産に計上する。
- 3給付金受取人が法人で、解約返戻金相当額のない短期払いの医療保険の支払保険料は、その事業年度に支払った保険料の額が被保険者1人当たり30万円以下の場合、その支払った日の属する事業年度の損金の額に算入することができる。
- 4死亡保険金受取人が法人で、最高解約返戻率が65%である定期保険(保険期間20年)の支払保険料は、保険期間の前半4割相当期間においては、その60%相当額を資産に計上し、残額を損金の額に算入することができる。
正解と解説AI解説
正解 肢4
本問の論点
法人が契約者・保険料負担者、役員が被保険者となる生命保険について、受け取った給付金の扱いと、支払保険料の経理処理を問う問題である。2020年10月に締結した保険が前提のため、定期保険では最高解約返戻率に応じた取扱いが論点になる。「最も不適切なもの」を選ぶ点にも注意する。
正解の根拠
最高解約返戻率が65%の定期保険(保険期間20年)では、保険期間の前半4割相当期間において、支払保険料の60%相当額を損金の額に算入でき、残額を資産に計上する。肢4は資産計上と損金算入の割合が逆になっており、誤りである。よって、正解は肢4。
各肢の検討
肢1:適切。受取人が法人の入院給付金は、全額を益金の額に算入する。
肢2:適切。死亡保険金受取人が法人の終身保険は、貯蓄性があるため支払保険料の全額を資産に計上する。
肢3:適切。給付金受取人が法人で解約返戻金相当額のない短期払いの医療保険は、被保険者1人当たり30万円以下であれば、支払った日の属する事業年度の損金の額に算入できる。
肢4:不適切。前半4割期間に損金算入できるのは60%相当額であり、資産計上するのは残額である。
一言まとめ
定期保険は、最高解約返戻率の区分によって資産計上の割合と期間が決まる。「損金に入るのが60%、資産計上が残額」という対応を取り違えないことが判断のコツである。
一問一答各肢の正誤
○肢1法人が受け取った医療保険の入院給付金は、その全額を益金の額に算入する。
法人が受取人である医療保険の入院給付金は、受け取った法人の収益となるため、その全額を益金の額に算入する。
○肢2死亡保険金受取人が法人である終身保険の支払保険料は、その全額を資産に計上する。
死亡保険金受取人が法人である終身保険は貯蓄性があり、支払保険料の全額を資産に計上する経理処理となる。
○肢3給付金受取人が法人で、解約返戻金相当額のない短期払いの医療保険の支払保険料は、その事業年度に支払った保険料の額が被保険者1人当たり30万円以下の場合、その支払った日の属する事業年度の損金の額に算入することができる。
給付金受取人が法人で解約返戻金相当額のない短期払いの医療保険は、被保険者1人当たり30万円以下なら支払った事業年度に損金算入できる。
×肢4死亡保険金受取人が法人で、最高解約返戻率が65%である定期保険(保険期間20年)の支払保険料は、保険期間の前半4割相当期間においては、その60%相当額を資産に計上し、残額を損金の額に算入することができる。
最高解約返戻率65%の定期保険では、前半4割期間は支払保険料の60%相当額を損金算入し残額を資産計上するのであり、肢の資産計上と損金算入の割合は逆である。
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2021年1月 問15 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2020年10月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。