ライフプランニングと資金計画2020年10月1日時点の法令に基づく出題です
2021年5月 FP2級学科 問1
ファイナンシャル・プランナー(以下「FP」という)の顧客に対する行為に関する次の記述のうち、関連法規に照らし、最も不適切なものはどれか。
- 1弁護士の資格を有しないFPのAさんは、顧客から成年後見制度について相談を受け、法定後見制度と任意後見制度の違いについて一般的な説明をした。
- 2税理士の資格を有しないFPのBさんは、顧客から所得税の医療費控除について相談を受け、実際に支払った医療費のうち、保険金などで補てんされる金額については医療費控除の対象とならないことを説明した。
- 3社会保険労務士の資格を有しないFPのCさんは、顧客から老齢基礎年金の繰下げ受給について相談を受け、顧客の「ねんきん定期便」の年金受取見込額を基に、繰り下げた場合の年金額を試算した。
- 4金融商品取引業の登録を受けていないFPのDさんは、顧客と資産運用に関する投資助言契約を締結したうえで、値上がりが期待できる株式の個別銘柄の購入を勧めた。
正解と解説AI解説
正解 肢4
本問の論点
FPが弁護士・税理士・社会保険労務士などの資格や、金融商品取引業の登録を持たない場合に、どこまでの行為が許されるかを問う問題である。一般的な制度の説明は可能でも、個別具体的な相談や登録が必要な業務は行えないという線引きが論点となる。
正解の根拠
投資助言・代理業は、金融商品取引業の登録を受けた者でなければ行えない業務である。顧客と投資助言契約を締結し、値上がりが期待できる株式の個別銘柄の購入を勧める行為は、まさにこの投資助言業務に当たる。登録を受けていないFPのDさんが行うことは認められない。よって、正解は肢4。
各肢の検討
肢1:適切。法定後見制度と任意後見制度の違いという一般的な説明にとどまり、個別の法律事務ではない。
肢2:適切。補てんされる金額は医療費控除の対象外という一般的な制度の説明であり、個別の税務相談ではない。
肢3:適切。ねんきん定期便の見込額を基にした概算の試算で、一般的な範囲にとどまる。
肢4:不適切。登録なしに投資助言契約を結び、個別銘柄の購入を勧めている。
一言まとめ
資格がなくても行えるのは一般的な説明や概算の試算まで。個別の助言や登録が必要な業務は行えないと覚える。
一問一答各肢の正誤
○肢1弁護士の資格を有しないFPのAさんは、顧客から成年後見制度について相談を受け、法定後見制度と任意後見制度の違いについて一般的な説明をした。
法定後見制度と任意後見制度の違いという一般的な説明にとどまり、個別の法律事務を扱うものではないため、資格がなくても問題ない。
○肢2税理士の資格を有しないFPのBさんは、顧客から所得税の医療費控除について相談を受け、実際に支払った医療費のうち、保険金などで補てんされる金額については医療費控除の対象とならないことを説明した。
補てんされる金額は医療費控除の対象とならないという一般的な制度の説明であり、個別の税務書類の作成や税務相談には当たらない。
○肢3社会保険労務士の資格を有しないFPのCさんは、顧客から老齢基礎年金の繰下げ受給について相談を受け、顧客の「ねんきん定期便」の年金受取見込額を基に、繰り下げた場合の年金額を試算した。
ねんきん定期便の見込額を基にした概算の試算にとどまる限り、一般的な範囲の説明であり、社会保険労務士の資格がなくても行える。
×肢4金融商品取引業の登録を受けていないFPのDさんは、顧客と資産運用に関する投資助言契約を締結したうえで、値上がりが期待できる株式の個別銘柄の購入を勧めた。
投資助言契約を結び個別銘柄の購入を勧める行為は投資助言業務であり、金融商品取引業の登録を受けていないFPには認められない。
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2021年5月 問1 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2020年10月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。