相続・事業承継2021年4月1日時点の法令に基づく出題です
2021年9月 FP2級学科 問59
相続税の納税対策に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1相続により土地を取得した者がその相続に係る相続税を延納する場合、取得した土地以外の土地を延納の担保として提供することはできない。
- 2相続税は金銭による一括納付が原則であるが、一括納付や延納が困難な場合、納税義務者は、物納を申請することができる。
- 3相続時精算課税制度の適用を受けた贈与財産は、物納に充てることができない。
- 4「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」の適用を受けた宅地を物納する場合の収納価額は、特例適用後の価額である。
正解と解説AI解説
正解 肢1
本問の論点
相続税の納税対策のうち、延納の担保、物納の要件、物納に充てられない財産、物納財産の収納価額を問う問題である。最も不適切な記述を選ぶため、各肢の内容を順に確かめる。
正解の根拠
延納の担保は、延納税額に見合う価値のある財産であれば、相続で取得した土地に限られず、納税者が有する他の土地なども提供できる。したがって、取得した土地以外の土地は担保にできないとする肢1は誤りである。他の3肢は条文に沿った正しい記述である。よって、正解は肢1。
各肢の検討
肢1:不適切。担保は取得した土地に限られず、他の土地も提供できるため、提供できないとする点が誤りである。
肢2:適切。相続税法第41条第1項は、延納によっても金銭で納付することが困難な事由がある場合に、納税義務者の申請により物納の許可ができると定めている。
肢3:適切。相続税法第41条第2項は、物納に充てられる財産から、相続時精算課税の規定の適用を受ける財産を除くと定めている。
肢4:適切。相続税法第43条第1項は、物納財産の収納価額を課税価格計算の基礎となった価額によると定めており、特例適用後の価額が基礎となるため、収納価額も特例適用後の価額である。
一言まとめ
「〜できない」と言い切る選択肢は、例外や範囲の広さを疑うのがコツである。延納の担保は他の財産でもよいと押さえておく。
一問一答各肢の正誤
×肢1相続により土地を取得した者がその相続に係る相続税を延納する場合、取得した土地以外の土地を延納の担保として提供することはできない。
延納の担保は取得した土地に限られず、納税者が有する他の土地なども提供できるため、提供できないとする記述は誤りである。
○肢2相続税は金銭による一括納付が原則であるが、一括納付や延納が困難な場合、納税義務者は、物納を申請することができる。
延納によっても金銭で納付することが困難な事由があれば、納税義務者の申請により物納の許可を受けることができる。
○肢3相続時精算課税制度の適用を受けた贈与財産は、物納に充てることができない。
物納に充てられる財産からは、相続時精算課税の規定の適用を受ける財産が除かれているため、物納に充てることはできない。
○肢4「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」の適用を受けた宅地を物納する場合の収納価額は、特例適用後の価額である。
物納財産の収納価額は課税価格計算の基礎となった価額によるため、小規模宅地等の特例適用後の価額が収納価額となる。
関連条文解説で引用
- 相続税法第41条第1項
- 相続税法第41条第2項
- 相続税法第43条第1項
- 措置法第69条の4第1項
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2021年9月 問59 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2021年4月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。