FP2 / 2022年5月 / 問55公表解答どおり

相続・事業承継2021年10月1日時点の法令に基づく出題です

2022年5月 FP2級学科 問55

遺産分割協議に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. 1遺産分割協議書は、民法で定められた形式に従って作成し、かつ、共同相続人全員が署名・捺印していなければ無効となる。
  2. 2遺産分割協議書は、相続人が相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヵ月以内に作成し、家庭裁判所に提出しなければならない。
  3. 3遺産を現物分割する旨の遺産分割協議書を作成する際に、一定の場合を除き、遺産の一部についてのみ定めた遺産分割協議書を作成することができる。
  4. 4適法に成立した遺産分割協議については、共同相続人全員の合意があったとしても、当該協議を解除し、再度、遺産分割協議を行うことはできない。

正解と解説AI解説

正解 肢3

本問の論点

遺産分割協議について、協議書の方式、作成・提出の期限、一部分割の可否、成立後の合意解除を問う問題である。協議書の性質と、他の手続の期限との混同に注意したい。

正解の根拠

民法第907条第1項は、共同相続人は、被相続人が遺言で禁じた場合を除き、いつでも、その協議で、遺産の全部又は一部の分割をすることができると定めている。したがって、一定の場合を除き、遺産の一部についてのみ定めた遺産分割協議書を作成することができる。よって、正解は肢3。

各肢の検討

肢1:不適切。民法は遺産分割協議書の形式を定めていない。協議は共同相続人全員の合意によって成立し、協議書はその内容を証する書面であるから、所定の形式によらないことを理由に無効となるわけではない。

肢2:不適切。遺産分割は協議でいつでもすることができ、協議書の作成期限や家庭裁判所への提出義務は定められていない(民法第907条第1項)。

肢3:適切。協議で遺産の一部の分割をすることができる(民法第907条第1項)。

肢4:不適切。適法に成立した協議であっても、共同相続人全員の合意があれば解除し、再度協議を行うことができると解されている。

一言まとめ

遺産分割協議は「いつでも・全部又は一部を・全員の合意で」。期限や提出先が書かれた肢は、他の手続との混同を疑う。

一問一答各肢の正誤

  1. ×肢1遺産分割協議書は、民法で定められた形式に従って作成し、かつ、共同相続人全員が署名・捺印していなければ無効となる。

    民法は遺産分割協議書の形式を定めておらず、協議は共同相続人全員の合意で成立するため、所定の形式によらないことを理由に無効となるわけではない。

  2. ×肢2遺産分割協議書は、相続人が相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヵ月以内に作成し、家庭裁判所に提出しなければならない。

    共同相続人はいつでも協議で遺産の分割をすることができ、協議書を一定期間内に作成して家庭裁判所に提出する義務は定められていない。

  3. ○肢3遺産を現物分割する旨の遺産分割協議書を作成する際に、一定の場合を除き、遺産の一部についてのみ定めた遺産分割協議書を作成することができる。

    共同相続人は、被相続人が遺言で禁じた場合を除き、協議で遺産の全部又は一部の分割をすることができるため、一部のみを定めた協議書も作成できる。

  4. ×肢4適法に成立した遺産分割協議については、共同相続人全員の合意があったとしても、当該協議を解除し、再度、遺産分割協議を行うことはできない。

    適法に成立した遺産分割協議であっても、共同相続人全員の合意があれば解除し、改めて協議をやり直すことができると解されている。

関連条文解説で引用

  • 民法第907条第1項

出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2022年5月 問55 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。

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