相続・事業承継2022年10月1日時点の法令に基づく出題です
2023年5月 FP2級学科 問54
遺言に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1公正証書遺言を作成する際には、証人2人以上の立会いが必要とされる。
- 2公正証書遺言を作成した遺言者は、その遺言を自筆証書遺言によって撤回することができる。
- 3自筆証書遺言を作成する際に財産目録を添付する場合、その目録はパソコン等で作成することができる。
- 4自筆証書遺言は、自筆証書遺言書保管制度により法務局(遺言書保管所)に保管されているものであっても、相続開始後に家庭裁判所の検認を受けなければならない。
正解と解説AI解説
正解 肢4
本問の論点
遺言の方式(公正証書遺言・自筆証書遺言)、遺言の撤回、自筆証書遺言書保管制度と検認の関係を問う問題である。
正解の根拠
民法第1004条第1項は、遺言書の保管者が、相続の開始を知った後、遅滞なく、遺言書を家庭裁判所に提出して検認を請求しなければならないと定めている。民法第1004条第2項は、この規定を公正証書による遺言には適用しないとしている。さらに、自筆証書遺言書保管制度により法務局(遺言書保管所)に保管されている自筆証書遺言についても、家庭裁判所の検認は不要とされている。したがって、保管制度を利用した自筆証書遺言でも検認が必要とする肢4は不適切である。よって、正解は肢4。
各肢の検討
肢1:公正証書遺言では、証人2人以上の立会いがあることが必要とされる(民法第969条第1項第1号)。適切。
肢2:遺言は、前の遺言と異なる方式の遺言によっても撤回できるので、公正証書遺言を自筆証書遺言で撤回することができる。適切。
肢3:自筆証書と一体のものとして添付する財産目録は自書を要しないため、パソコン等で作成できる(民法第968条第2項)。適切。
肢4:法務局に保管された自筆証書遺言は検認が不要であり、検認を受けなければならないとする点が不適切。
一言まとめ
検認が不要なのは「公正証書遺言」と「法務局保管の自筆証書遺言」と覚える。
一問一答各肢の正誤
○肢1公正証書遺言を作成する際には、証人2人以上の立会いが必要とされる。
公正証書によって遺言をするには、証人2人以上の立会いがあることが方式として求められている。
○肢2公正証書遺言を作成した遺言者は、その遺言を自筆証書遺言によって撤回することができる。
遺言者は遺言の方式に従って遺言を撤回でき、前の遺言と同じ方式による必要はないため、公正証書遺言を自筆証書遺言で撤回できる。
○肢3自筆証書遺言を作成する際に財産目録を添付する場合、その目録はパソコン等で作成することができる。
自筆証書と一体のものとして添付する相続財産の目録は自書を要しないので、パソコン等で作成できる(目録の毎葉に署名・押印が必要)。
×肢4自筆証書遺言は、自筆証書遺言書保管制度により法務局(遺言書保管所)に保管されているものであっても、相続開始後に家庭裁判所の検認を受けなければならない。
自筆証書遺言書保管制度により法務局に保管されている自筆証書遺言は、家庭裁判所の検認を要しないため、検認が必要とする記述は誤りである。
関連条文解説で引用
- 民法第969条第1項
- 民法第969条第1項第1号
- 民法第968条第2項
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2023年5月 問54 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2022年10月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。