不動産2023年4月1日時点の法令に基づく出題です
2023年9月 FP2級学科 問49
個人が土地を譲渡した場合の譲渡所得に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1相続により取得した土地を譲渡した場合、その土地の所有期間を判定する際の取得の日は、相続人が当該相続を登記原因として所有権移転登記をした日である。
- 2土地の譲渡に係る所得が長期譲渡所得に区分される場合、課税長期譲渡所得金額に対し、原則として、所得税(復興特別所得税を含む)が15.315%、住民税が5%の税率で課される。
- 3土地の譲渡に係る所得については、その土地を譲渡した日の属する年の1月1日における所有期間が5年以下の場合、短期譲渡所得に区分される。
- 4譲渡所得の金額の計算上、譲渡した土地の取得費が不明な場合には、譲渡収入金額の5%相当額を取得費とすることができる。
正解と解説AI解説
正解 肢1
本問の論点
個人が土地を譲渡した場合の譲渡所得について、相続で取得した土地の所有期間の判定、長期・短期の区分と税率、取得費の扱いを問う問題である。
正解の根拠
所得税法第60条第1項第1号に掲げる相続(限定承認に係るものを除く。)により取得した資産を譲渡した場合、譲渡所得の金額の計算については、その者が引き続きこれを所有していたものとみなされる(所得税法第60条第1項)。したがって、所有期間は被相続人の取得の日を引き継いで判定し、相続登記をした日を取得の日とするのではない。よって、正解は肢1。
各肢の検討
肢1:不適切。取得の日は相続登記の日ではなく、被相続人の取得の日を引き継ぐ。
肢2:適切。長期譲渡所得は他の所得と区分して課税する分離課税であり(措置法第31条第1項)、原則として所得税(復興特別所得税を含む)15.315%、住民税5%が課される。
肢3:適切。譲渡した年の1月1日において所有期間が5年以下のものは短期譲渡所得となる(措置法第32条第1項)。
肢4:適切。取得費が不明な場合は、譲渡収入金額の5%相当額を取得費とする概算取得費を用いることができる。
一言まとめ
所有期間は「譲渡した年の1月1日」で判定し、相続等で取得した資産は前の所有者の取得の日を引き継ぐと押さえる。
一問一答各肢の正誤
×肢1相続により取得した土地を譲渡した場合、その土地の所有期間を判定する際の取得の日は、相続人が当該相続を登記原因として所有権移転登記をした日である。
相続(限定承認に係るものを除く)により取得した資産は、相続人が引き続き所有していたものとみなされるため、取得の日は相続登記をした日ではなく被相続人の取得の日を引き継ぐ。
○肢2土地の譲渡に係る所得が長期譲渡所得に区分される場合、課税長期譲渡所得金額に対し、原則として、所得税(復興特別所得税を含む)が15.315%、住民税が5%の税率で課される。
長期譲渡所得は他の所得と区分して課税長期譲渡所得金額に所得税を課する分離課税であり、原則として所得税(復興特別所得税を含む)15.315%、住民税5%が課される。
○肢3土地の譲渡に係る所得については、その土地を譲渡した日の属する年の1月1日における所有期間が5年以下の場合、短期譲渡所得に区分される。
譲渡した年の1月1日において所有期間が5年以下である土地等の譲渡による譲渡所得は、短期譲渡所得として課税される。
○肢4譲渡所得の金額の計算上、譲渡した土地の取得費が不明な場合には、譲渡収入金額の5%相当額を取得費とすることができる。
取得費が不明な場合は、譲渡収入金額の5%相当額を取得費とする概算取得費を用いることができる。
関連条文解説で引用
- 所得税法第60条第1項
- 所得税法第60条第1項第1号
- 措置法第31条第1項
- 措置法第32条第1項
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2023年9月 問49 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2023年4月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。