ライフプランニングと資金計画2023年10月1日時点の法令に基づく出題です
2024年1月 FP2級学科 問5
公的年金制度の障害給付および遺族給付に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1障害等級1級または2級に該当する程度の障害の状態にある障害厚生年金の受給権者が、所定の要件を満たす配偶者を有する場合、その受給権者に支給される障害厚生年金には加給年金額が加算される。
- 2障害厚生年金の額を計算する際に、その計算の基礎となる被保険者期間の月数が300月に満たない場合、300月として計算する。
- 3遺族基礎年金を受給することができる遺族は、国民年金の被保険者等の死亡の当時、その者によって生計を維持され、かつ、所定の要件を満たす「子のある配偶者」または「子」である。
- 4遺族厚生年金の受給権者が、65歳到達日に老齢厚生年金の受給権を取得した場合、65歳以降、その者の選択によりいずれか一方の年金が支給され、他方の年金は支給停止となる。
正解と解説AI解説
正解 肢4
本問の論点
障害厚生年金の加給年金額・最低保障月数、遺族基礎年金の遺族の範囲、遺族厚生年金と老齢厚生年金の併給調整を問う問題である。
正解の根拠
65歳以上で遺族厚生年金と老齢厚生年金の受給権を有する場合、老齢厚生年金が優先して全額支給され、遺族厚生年金は老齢厚生年金に相当する額が支給停止となり、その差額が支給される。どちらか一方を選択する仕組みではない。よって、正解は肢4。
各肢の検討
肢1:適切。厚生年金保険法第50条の2第1項は、障害等級1級または2級の受給権者に生計を維持している65歳未満の配偶者があるとき、加給年金額を加算すると定めている。
肢2:適切。障害厚生年金は、計算の基礎となる被保険者期間の月数が300月に満たない場合、300月として計算する。
肢3:適切。遺族基礎年金の遺族は、生計を維持され、要件に該当する子と生計を同じくする配偶者または要件に該当する子である(国民年金法第37条の2第1項)。
肢4:不適切。上記のとおり差額支給の調整であり、選択制ではない。
一言まとめ
65歳以降の遺族厚生年金は「老齢厚生年金を先に全額、遺族厚生年金は差額」と覚える。
一問一答各肢の正誤
○肢1障害等級1級または2級に該当する程度の障害の状態にある障害厚生年金の受給権者が、所定の要件を満たす配偶者を有する場合、その受給権者に支給される障害厚生年金には加給年金額が加算される。
障害等級1級または2級の障害厚生年金の受給権者に、生計を維持している65歳未満の配偶者があるときは、加給年金額が加算される。
○肢2障害厚生年金の額を計算する際に、その計算の基礎となる被保険者期間の月数が300月に満たない場合、300月として計算する。
障害厚生年金の額の計算の基礎となる被保険者期間の月数が300月に満たない場合は、300月として計算する最低保障の仕組みがある。
○肢3遺族基礎年金を受給することができる遺族は、国民年金の被保険者等の死亡の当時、その者によって生計を維持され、かつ、所定の要件を満たす「子のある配偶者」または「子」である。
遺族基礎年金を受けられるのは、死亡の当時その者により生計を維持され、所定の要件に該当する子と生計を同じくする配偶者、または所定の要件に該当する子である。
×肢4遺族厚生年金の受給権者が、65歳到達日に老齢厚生年金の受給権を取得した場合、65歳以降、その者の選択によりいずれか一方の年金が支給され、他方の年金は支給停止となる。
65歳以降は老齢厚生年金が全額支給され、遺族厚生年金は老齢厚生年金に相当する額が支給停止されて差額が支給される調整であり、選択によりいずれか一方を受給する仕組みではない。
関連条文解説で引用
- 厚生年金保険法第50条の2第1項
- 国民年金法第37条の2第1項
- 国民年金法第37条の2第1項第1号
- 国民年金法第37条の2第1項第2号
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2024年1月 問5 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2023年10月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。