不動産2023年10月1日時点の法令に基づく出題です
2024年1月 FP2級学科 問43
民法および借地借家法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問においては、借地借家法第38条における定期建物賃貸借契約を定期借家契約といい、それ以外の建物賃貸借契約を普通借家契約という。また、記載のない特約については考慮しないものとする。
- 1賃借人は、建物の引渡しを受けた後の通常の使用および収益によって生じた建物の損耗ならびに経年変化については、賃貸借が終了したときに原状に復する義務を負わない。
- 2普通借家契約において、賃借人が賃貸人の同意を得て建物に付加した造作について、賃貸借終了時、賃借人が賃貸人に、その買取りを請求しない旨の特約をした場合、その特約は無効である。
- 3定期借家契約を締結するときは、賃貸人は、あらかじめ、賃借人に対し、契約の更新がなく、期間満了により賃貸借が終了することについて、その旨を記載した書面を交付し、または、賃借人の承諾を得て当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供して、説明しなければならない。
- 4定期借家契約において、経済事情の変動があっても賃貸借期間中は賃料を増減額しないこととする特約をした場合、その特約は有効である。
正解と解説AI解説
正解 肢2
本問の論点
建物賃貸借における原状回復義務の範囲、造作買取請求権を排除する特約の効力、定期借家契約の事前説明と賃料改定特約について、民法と借地借家法の規定を正しく理解しているかを問う問題である。
正解の根拠
建物の賃借人は、賃貸人の同意を得て付加した造作を時価で買い取るよう請求できる(借地借家法第33条第1項)。しかし、この造作買取請求権を行使しない旨の特約は無効とされておらず、普通借家契約でも有効である。肢2は特約を無効としている点が誤りである。よって、正解は肢2。
各肢の検討
肢1:適切。原状回復の対象となる損傷からは、通常損耗と経年変化が除かれる(民法第621条第1項)。
肢2:不適切。造作買取請求権を排除する特約は有効である。
肢3:適切。賃貸人は事前に書面を交付し(借地借家法第38条第3項)、又は賃借人の承諾を得て電磁的方法で提供して説明しなければならない(借地借家法第38条第4項)。
肢4:適切。借賃の改定に係る特約がある定期借家契約には借賃増減請求の規定は適用されない(借地借家法第38条第9項)。
一言まとめ
造作買取請求権は特約で排除できる権利であり、「無効」とする選択肢は誤りと判断する。
一問一答各肢の正誤
○肢1賃借人は、建物の引渡しを受けた後の通常の使用および収益によって生じた建物の損耗ならびに経年変化については、賃貸借が終了したときに原状に復する義務を負わない。
賃借人が原状回復義務を負う損傷からは、通常の使用及び収益によって生じた損耗並びに経年変化が除かれている。
×肢2普通借家契約において、賃借人が賃貸人の同意を得て建物に付加した造作について、賃貸借終了時、賃借人が賃貸人に、その買取りを請求しない旨の特約をした場合、その特約は無効である。
造作買取請求権は賃借人に認められた権利であるが、これを行使しない旨の特約は無効とされておらず、特約は有効である。
○肢3定期借家契約を締結するときは、賃貸人は、あらかじめ、賃借人に対し、契約の更新がなく、期間満了により賃貸借が終了することについて、その旨を記載した書面を交付し、または、賃借人の承諾を得て当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供して、説明しなければならない。
定期借家契約では、賃貸人はあらかじめ更新がなく期間満了で終了する旨の書面を交付し、又は承諾を得て電磁的方法で提供して説明しなければならない。
○肢4定期借家契約において、経済事情の変動があっても賃貸借期間中は賃料を増減額しないこととする特約をした場合、その特約は有効である。
定期借家契約で借賃の改定に係る特約がある場合は借賃増減請求の規定が適用されないため、賃料を増減額しない特約は有効である。
関連条文解説で引用
- 民法第621条第1項
- 借地借家法第38条第3項
- 借地借家法第38条第4項
- 借地借家法第38条第9項
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2024年1月 問43 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2023年10月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。