金融資産運用2024年4月1日時点の法令に基づく出題です
2024年9月 FP2級学科 問28
上場株式等の譲渡および配当等(一定の大口株主等が受けるものを除く)に係る税金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問においては、NISA(少額投資非課税制度)により投資収益が非課税となる口座をNISA口座という。
- 12024年中に受け取った上場株式の配当について、所得税で総合課税を選択した場合、住民税で申告不要制度を選択することはできない。
- 2NISA口座で保有する上場株式の配当を非課税扱いにするためには、配当金の受取方法として株式数比例配分方式を選択しなければならない。
- 3特定口座で保有する上場株式を売却したことで生じた譲渡益の金額は、確定申告をすることにより、NISA口座で保有する上場株式の譲渡損失の金額と損益を通算することができる。
- 4上場株式等に係る配当所得等の金額と損益通算してもなお控除しきれない上場株式の譲渡損失の金額は、確定申告をすることにより、翌年以後3年間にわたって繰り越すことができる。
正解と解説AI解説
正解 肢3
本問の論点
上場株式等の配当と譲渡損失の課税について、配当の課税方式の選択、NISA口座で受け取る配当の受取方法、NISA口座で生じた損失の扱い、譲渡損失の損益通算と繰越控除を問う問題である。
正解の根拠
非課税口座内上場株式等の譲渡による収入金額が取得費と譲渡費用の合計額に満たない場合、その不足額は所得税に関する法令の適用上ないものとみなされる(措置法第37条の14第2項)。したがって、NISA口座で保有する上場株式の譲渡損失は、確定申告をしても特定口座の譲渡益と損益通算できない。よって、正解は肢3。
各肢の検討
肢1:適切。配当について所得税で総合課税を選択した場合、住民税も総合課税となり、住民税だけ申告不要制度を選択することはできない。
肢2:適切。NISA口座の上場株式の配当は、株式数比例配分方式で受け取った場合に限り非課税となる。
肢3:不適切。NISA口座の譲渡損失はないものとみなされ、損益通算の対象にならない。
肢4:適切。上場株式の譲渡損失は確定申告により上場株式等に係る配当所得等の金額と損益通算でき、控除しきれない金額は翌年以後3年間繰り越せる(措置法第37条の12の2第5項)。
一言まとめ
NISA口座の損失は「ないもの」とみなされ、損益通算も繰越控除もできないと覚える。
一問一答各肢の正誤
○肢12024年中に受け取った上場株式の配当について、所得税で総合課税を選択した場合、住民税で申告不要制度を選択することはできない。
配当について所得税で総合課税を選択した場合、住民税も総合課税となり、住民税だけ申告不要制度を選択することはできない。
○肢2NISA口座で保有する上場株式の配当を非課税扱いにするためには、配当金の受取方法として株式数比例配分方式を選択しなければならない。
NISA口座の上場株式の配当を非課税とするには、証券会社等の口座で受け取る株式数比例配分方式を選択する必要がある。
×肢3特定口座で保有する上場株式を売却したことで生じた譲渡益の金額は、確定申告をすることにより、NISA口座で保有する上場株式の譲渡損失の金額と損益を通算することができる。
NISA口座内の上場株式等の譲渡損失は所得税に関する法令の適用上ないものとみなされるため、特定口座の譲渡益と損益通算することはできない。
○肢4上場株式等に係る配当所得等の金額と損益通算してもなお控除しきれない上場株式の譲渡損失の金額は、確定申告をすることにより、翌年以後3年間にわたって繰り越すことができる。
上場株式等に係る譲渡損失は確定申告により配当所得等の金額と損益通算でき、控除しきれない金額は前年以前3年内の損失として繰越控除できる。
関連条文解説で引用
- 措置法第37条の14第2項
- 措置法第37条の14第3項
- 措置法第37条の12の2第1項
- 措置法第37条の12の2第5項
- 措置法第37条の12の2第7項
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2024年9月 問28 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2024年4月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。