タックスプランニング2021年10月1日時点の法令に基づく出題です
2022年5月 FP2級学科 問31
所得税の原則的な仕組みに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1所得税では、課税対象となる所得を10種類に区分し、それぞれの所得の種類ごとに定められた計算方法により所得の金額を計算する。
- 2合計所得金額は、損益通算後の各種所得の金額の合計額に、純損失や雑損失の繰越控除を適用した後の金額である。
- 3課税総所得金額に対する所得税額は、課税総所得金額に応じて7段階に区分された税率を用いて計算される。
- 4所得税では、納税者本人が所得の金額とこれに対応する税額を計算し、申告・納付する申告納税方式を採用している。
正解と解説AI解説
正解 肢2
本問の論点
所得税の計算の基本的な仕組み(所得区分、合計所得金額と総所得金額の違い、税率構造、申告納税方式)を問う問題である。特に、損失の繰越控除を適用する前の金額か後の金額かという区別が問われている。
正解の根拠
所得税法第22条第2項は、総所得金額を、各種所得の金額の合計額(純損失・雑損失の繰越控除の適用がある場合には、その適用後の金額)と定めている。これに対し合計所得金額は、損益通算後、純損失や雑損失の繰越控除を適用する前の金額である。肢2は合計所得金額を繰越控除後の金額としており誤り。よって、正解は肢2。
各肢の検討
肢1:適切。所得を利子・配当・不動産・事業・給与・退職・山林・譲渡・一時・雑の10種類に区分し、所得ごとに所得の金額を計算する(所得税法第21条第1項第1号)。
肢2:不適切。合計所得金額は繰越控除前の金額であり、繰越控除後の金額となるのは総所得金額である。
肢3:適切。課税総所得金額を税率表の金額に区分し、それぞれの税率を乗じた金額を合計して税額を計算する(所得税法第89条第1項)。その区分は7段階である。
肢4:適切。所得税は、納税者本人が所得と税額を計算して申告・納付する申告納税方式を採用している。
一言まとめ
「合計所得金額=繰越控除前」「総所得金額=繰越控除後」と、繰越控除の前後で区別する。
一問一答各肢の正誤
○肢1所得税では、課税対象となる所得を10種類に区分し、それぞれの所得の種類ごとに定められた計算方法により所得の金額を計算する。
所得は利子・配当・不動産・事業・給与・退職・山林・譲渡・一時・雑の10種類に区分され、所得ごとに所得の金額を計算する。
×肢2合計所得金額は、損益通算後の各種所得の金額の合計額に、純損失や雑損失の繰越控除を適用した後の金額である。
合計所得金額は損益通算後、純損失や雑損失の繰越控除を適用する前の金額である。繰越控除の適用後の金額とされるのは総所得金額である。
○肢3課税総所得金額に対する所得税額は、課税総所得金額に応じて7段階に区分された税率を用いて計算される。
課税総所得金額に対する所得税額は、課税総所得金額を税率表の金額に区分し、それぞれの税率を乗じた金額を合計して計算する。その区分は7段階である。
○肢4所得税では、納税者本人が所得の金額とこれに対応する税額を計算し、申告・納付する申告納税方式を採用している。
所得税は、納税者本人が所得の金額と税額を計算して申告・納付する申告納税方式を採用している。
関連条文解説で引用
- 所得税法第21条第1項第1号
- 所得税法第22条第2項
- 所得税法第89条第1項
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2022年5月 問31 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2021年10月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。