相続・事業承継2023年10月1日時点の法令に基づく出題です
2024年1月 FP2級学科 問52
みなし贈与財産等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1負担付贈与があった場合において、受贈者の負担額が贈与者以外の第三者の利益に帰すときは、原則として、当該第三者が受贈者の負担額に相当する金額を贈与によって取得したこととなり、贈与税の課税対象となる。
- 2子が父から著しく低い価額の対価で土地を譲り受けた場合には、原則として、その相続税評価額と支払った対価の額との差額を、子が父から贈与により取得したものとみなされ、贈与税の課税対象となる。
- 3債務者である個人が資力を喪失して債務を弁済することが困難になり、債権者である個人から当該債務の免除を受けた場合、当該免除を受けた金額のうちその債務を弁済することが困難である部分の金額は、贈与税の課税対象とならない。
- 4離婚による財産分与により取得した財産は、その価額が婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額その他一切の事情を考慮して社会通念上相当な範囲内である場合、原則として、贈与税の課税対象とならない。
正解と解説AI解説
正解 肢2
本問の論点
本来の贈与ではないが、経済的利益を受けたことにより贈与により取得したものとみなされる「みなし贈与財産」の範囲と、その例外を問う問題である。
正解の根拠
相続税法第7条第1項は、著しく低い価額の対価で財産の譲渡を受けた場合、「当該対価と…当該財産の時価との差額」を贈与により取得したものとみなすと定めている。土地の低額譲受けでは、相続税評価額ではなく通常の取引価額が時価とされる。肢2は相続税評価額との差額としている点が誤りである。よって、正解は肢2。
各肢の検討
肢1:適切。対価を支払わないで利益を受けた場合には、その利益の価額を贈与により取得したものとみなす(相続税法第9条第1項)。負担額が第三者の利益に帰すときは第三者が課税対象となる。
肢2:不適切。差額の基準は時価であり、相続税評価額ではない。
肢3:適切。資力を喪失して弁済が困難な場合の債務免除は、弁済困難部分がみなし贈与から除かれる(相続税法第8条第1項第1号)。
肢4:適切。社会通念上相当な範囲内の財産分与は、原則として贈与税の課税対象とならない。
一言まとめ
低額譲受けは「時価との差額」。資力喪失による債務免除と相当な財産分与は課税されない。
一問一答各肢の正誤
○肢1負担付贈与があった場合において、受贈者の負担額が贈与者以外の第三者の利益に帰すときは、原則として、当該第三者が受贈者の負担額に相当する金額を贈与によって取得したこととなり、贈与税の課税対象となる。
受贈者の負担が第三者の利益に帰す場合、第三者は対価を支払わないで利益を受けたことになり、その利益に相当する金額を贈与により取得したものとみなされる。
×肢2子が父から著しく低い価額の対価で土地を譲り受けた場合には、原則として、その相続税評価額と支払った対価の額との差額を、子が父から贈与により取得したものとみなされ、贈与税の課税対象となる。
著しく低い価額の対価で財産の譲渡を受けた場合にみなし贈与となるのは、対価と譲渡時の財産の時価との差額であり、土地の場合は相続税評価額ではなく通常の取引価額を基準とする。
○肢3債務者である個人が資力を喪失して債務を弁済することが困難になり、債権者である個人から当該債務の免除を受けた場合、当該免除を受けた金額のうちその債務を弁済することが困難である部分の金額は、贈与税の課税対象とならない。
債務者が資力を喪失して債務を弁済することが困難な場合に債務の免除を受けたときは、弁済が困難である部分の金額はみなし贈与の対象から除かれる。
○肢4離婚による財産分与により取得した財産は、その価額が婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額その他一切の事情を考慮して社会通念上相当な範囲内である場合、原則として、贈与税の課税対象とならない。
離婚による財産分与は財産分与請求権に基づく給付であり、社会通念上相当な範囲内であれば、原則として贈与税の課税対象とならない。
関連条文解説で引用
- 相続税法第9条第1項
- 相続税法第7条第1項
- 相続税法第8条第1項
- 相続税法第8条第1項第1号
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 2024年1月 問52 を加工して作成。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説は2023年10月1日時点の法令に基づきます。基準日以降の改正が反映されていない場合があります。本サイトの解説は学習補助を目的とし、税務・投資・法律に関する助言ではありません。